評価:★★★★☆ 4.3
こことは違う、どこか別の世界の物語。
幼いころに両親を亡くした少年は成長し、凄腕の賞金稼ぎ「猟犬クリフ」として様々な事件や賞金首と対峙することになる。後の世に「最も有名な冒険者」と呼ばれ、歌劇や詩曲に謳われた男の生涯。
完結しました。
※1話読み切り形式です。
目指すところは「ファンタジー風味の時代劇&西部劇」です。ツギクルでも掲載しています。
話数:全100話
ジャンル:アドベンチャー エピック・ファンタジー
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
優れた物語は何度も読み返す。何でと言われても自然とそうしてしまう。楽しいからだろう。なろうには優れた物語が沢山ある。実際に何度も読み返している物語も多い。通じて言えるのは読んで楽しい事だ。勿論この作品も楽しい。生き生きとしている。読む程に心が躍動する。実に楽しい。……しかし、この作品を読み返すのは一体何度目だろうか。ついつい読み出したら止まらなくなって、気付いたら一気に読み返してしまっていた。丁度、一気読みに良い長さって事もあるだろう。今日はやる事あったんだけどなー。一抹の後悔と共に、読後の満足感に大いに満たされている。……やる事は明日やろう。良作である。
作品の雰囲気や良さについては他の方に譲りますので、本レビューでは他と重複しない部分について書きます。 中国の文学に武侠小説というものがあります。 主人公が修業により身につけた技で世の中を渡っていく小説で、物語としては「北斗の拳」が近いです。 著名な武侠小説「多情剣客無情剣」では、飛刀(投げナイフ)の達人(李)が主人公で、「小李飛刀に仕損じ無し」と謳われており、本作とも共通点が多いです。 また、一話完結式の構成は「剣客商売」を彷彿とさせます。 筆者はファンタジーと時代劇及び西部劇の融合を目指していたとありますが、本作はその試みが非常に優れた形で達成されています。 前述の著名な作品に並ぶ、凄まじいものが本作には込められています。海外で翻訳されたり、映画化されたりした作品に匹敵する、なろう小説の最高傑作がここにあります。 是非あなたの目で確かめてください。
主人公の猟犬クリフはナイフ投げの名手です。 まるでダーツを操るかのように鈍銀を閃かせ、 並みいる敵と対等に――いえ、それ以上に渡り合います。 猟犬クリフは冒険者です。力だけなら彼より強い者は少なからず存在します。 しかしクリフが群を抜くのは、泥臭い機転と死を潜り抜けた経験の蓄積です。 まさにハードボイルド。並みいる敵など相手にもなりません。 彼の能力は荒くれの暴力ではなく、磨き抜かれた技術のたまものなのです。 そんな猟犬クリフの生涯をつづった作品が、こちらになります。 歳時記のような風情ある描写と、一話完結のテンポ良い作風…… 読んで後悔はさせません。読み進めれば冒険者の魅力に取りつかれること請け合いです。 酸いも甘きもざっくばらんに…… 一人の英雄の生涯が、あなたをお待ちしています。
これは所謂、なろう向けの小説ではない。地味なタイトル、地味なあらすじ、地味な導入。しかし、読み進めていくと、大きなテーマアにぶち当たる。それは人生。この小説を二章まで読んで感動しない者がいるだろうか?若者の人生、結婚後、中年期、晩年、死。人生の答えがここにある!綺麗ごとばかりじゃない、人生の酸いも甘いもここにある!この人生のドラマを多くの人に体感してほしい。生きるとは何か?その答えがここにある!
一人の冒険者の人生を淡々と描いている。序盤はとてつもなく強い主人公。英雄になる主人公としてはどこにでもいるタイプ。だが、この物語はそこでは終わらない。それはこの物語が「人生」を書いているから。冒険者としての生活、弟子をとった後の生活、冒険者を止めた後の生活。そして、そんな英雄の終末一つ一つの冒険は、別の英雄にお任せしよう。飾られていない、英雄の真実を味わえる作品です。
この作品は非常に野心的である。「魔法」「中世」「ドラゴン」などの便利な単語を使わずに世界観を作り上げ、ファンタジー長編で一話読み切り形式。これだけでも挑戦的だが、テーマが「人の生涯」だ。とてつもなく構想を重ね上げたのであろうことが推察できる。そしてこの作者「バトル描写」「物語を完結させる能力」この二点が抜群に巧い。バトル描写では一切「人ができない動き」これが出てこないのだ。これは地味だが素晴らしい。そして迫力があり、臨場感も抜群だ。しかも武術のウンチクが詳しく、面白い。主人公は作中で齢を重ねるが、若いうちと中年になってからでは戦い方が明らかに違う。作者の造詣の深さが見て取れる。そして物語を完結させる能力、これは御自身で確かめてほしい。プロットが丁寧なのが良く解る。ただ、内容はダークかつハード、読み手を選ぶのは否めない。この作者、面白い。
青年期、壮年期、中年期、晩年と、一人の人生を描いた作品です。一つの物語を切り取った作品が多い中、一人の人生を切り取った作品は珍しいと思います。1話完結型で読みやすく、間に別視点や、主人公以外のエピソード等も盛り込まれており、クリフ(主人公)の人生の一端を主人公以上に楽しめる様な作りになっております。歳をとることは勿論、病気になったり、知人が亡くなったり、様々な苦難にあったり……リアリティを求めた作品を、作者の知識や言葉選びが支え、世界観がしっかりとした素敵な作品です。物語も後半!クリフもかなり歳をとり、最後はどんな風に生涯を終えるのか……ぜひ読んでみて下さい!
この作品の魅力とは?迫力のあるバトルシーン。ニヒルな主人公。簡潔で格調高い文章。寂寥感のある世界観。確かにそれらも素晴らしいです。しかし、あえて言いましょう、これはラブストーリーであると!この作者は前作から一貫して「想い続けることの美しさ」を書き続けているように私には感じるのです。「その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」私はこの精神を感じます。主人公はヒロインを愛してるんだなーと感じます。それと登場人物がリアルな年の取り方をするのも魅力ですね。オッサン、オバサン化する主人公とヒロインとか大好きです。これはオススメしたい作品です。
この物語は一話完結方式ですが、正直にいって個々のストーリーを読んだだけでは面白さは伝わりません。でも、全体を通して読むとすごく面白いんです!なぜならこの作品は「人生」がテーマだからです。楽しいことも、悲しいこともたくさんあります。この味わいは時には凄くビター、時にスイート。主人公の家族にも容赦無く理不尽な不幸に見舞われます。凄くかわいい奥さんが病気になっちゃたりします。正直読んでてツライです。でも主人公には特別なチカラはありません。なにせ非チートです。自分には避けようもない不幸を主人公は耐えます、ただ耐えるのみです。うれしいこともたくさんあります。孤独だった主人公が仲間に囲まれて少しずつ大人になっていきます。主人公は現時点(72話)でたしか36歳、オッサンです。でもカッコイイ!主人公の人生、甘くないですが泣けてきます。
猟犬クリフと呼ばれる賞金稼ぎがいた。数々の英雄譚で語られる。 一人で百人切り殺した豪傑。 数々の智謀と策略で国家に暗躍した謎の冒険者。 そんな超人いませんよ。 特殊な能力なんてありません。 ライオンが狩りで獲物とお喋りしますか? しませんよね。 彼もそう、敵とペラペラしゃべりません。 不意打ちだってお手の物。 隙をみせれば死ぬのは自分。 ちょっとビターな大人のダークファンタジー 珈琲片手にいかがでしょうか?