「またね」と笑った君は。 完結日:2017年8月4日 作者:はしもと 評価:★★★★☆ 4囚人から精神エネルギーを廃人になるまで抽出するための研究施設に配属になった九条はじめ。 管理人となった九条が担当する囚人は No.236と名付けられた一人の少女。 物心付いたときから檻に入れられた少女と管理人の たった数週間のお話。 重複作品です。 話数:全4話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 注意:R15 残酷な描写あり 残酷描写 なろうで小説を読む
これは二人の、友情の物語である。友情は、罪の意識を超えたところにある。九条を苛んだのは、空を怖くないといった少女の、しかし悲壮な「純粋さ」であった。搾取対象の少女に、次第に心を惹かれていき――最後に九条がとった行動は、仕事をする大人として、言語道断である。それを顧みず、アクションを起こす。それだけならありふれた物語なのかもしれないが、陳腐さがない。なぜか。彼らの世界の見方は、どこか大人になり切っていない。少女はともかく、九条の、罪を一義的に絶対悪と定め、例外を認めなかったという設定。それまでに様々な経験のある中で、その意識はついに消えることがなかったというところに、どこか童心めいた純粋さがある。そんな、大人になり切れなかった大人と、大人の世界を知らない子供の、純粋な二人の友情の物語なのです。