評価:★★★★☆ 3.9
突然の婚約破棄をされてから一年半。元婚約者はもう結婚し、子供まで出来たというのに、エリーはまだ立ち直れずにモヤモヤとした日々を過ごしていた。そんなエリーの元に降ってきたのは、城からの針子としての就職案内。この鬱々とした毎日から離れられるならと行くことに決めたが、待っていたのは兵が破いた訓練着の修繕の仕事だった。「可愛いドレスが作りたかったのに!」とがっかりしつつ、エリーは汗臭く泥臭い訓練着を一心不乱に縫いまくる。いつかキラキラふわふわなドレスを作れることを夢見つつ。<他サイトにも重複投稿しています>
話数:全24話
ジャンル:仕事もの
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
感想にも書いたが、あまりにも勿体ない素材を多く残しすぎて作品自体は良作と言っていいもののどうしても「これで終わりかよ!」感が残る。現在の設定で、テンプレなお話、ちょっと思いつく限りでは・王族からの依頼を異世界からの記憶と知識で乗り切る・エリーのデザインした服で服飾の国に危機が!・ライバル登場で焦るエリー。ピンチを救うディノス・エリーとディノスのすれ違い・戦争勃発!エリーは服で国を救えるのか!?・えー、わたしキラキラふわふわ系の服作りたかっただけなのに!あたりのエピソードでまだまだがっつり書けると思うのだが、作者によほど欲がないのか、最後はかなりのあっさりEND。読者に続きを想起させて終わる話はよくあることなので決して駄目ではないのだが、育てる余地が大きくあった作品だけにちょっと残念。
「生まれた頃からいっしょに居る相手に、いまさら可愛らしく女の子らしく恋しているふうな顔をするのが、恥ずかしくて気まずくて。だから冗談めかして、誤魔化して」 ――第16話より この物語のヒロイン、エリーは、冒頭で幼馴染に婚約破棄を告げられます。 その後、心の痛みを抱えつつも針子を続けるうち、お城の服飾部で働くことになります。 お城といえば煌びやかなドレス! けどタイトル通り、エリーを待っていたのは地味な縫い物ばかり。 不本意ながらも仕事を続けるうち、やがて大きな転機が訪れます。 神龍の巫女との出会い。 初めてのドレス仕事。 服飾部のボス、ディノスとの接近。 多くの出来事を経て、エリーにも変化が訪れます。 初恋に決着を付け、明日へと踏み出します。 少し切ないけれど、爽やかな長編です。 ぜひ、一気読みして頂ければと思います。