評価:★★★★☆ 4.1
アウストラル王国の三の姫であるギュゼルに仕える女騎士、ルべリアは身体を震わせた。目の前には“魔王子”と囁かれる第二王子、アウグストがおり、ルべリアを腕で作った檻に閉じ込めているのだ。
「さあ、どうする? 己の主人のために、その命と純潔以外の全てを私に捧げられるか?」
「わたしは……」はい、と答えるしかなかった。ギュゼル様の為なら命さえ惜しくはない。
「では、その唇は今から私のものだ」
吐息を漏らすようにそう言うと、アウグストは宣言通りにルべリアの薔薇のような唇を蹂躙した。
※このお話は「おバカで真っ直ぐなイケメン女騎士ルべリアが、厄介な王子様たちに翻弄されながらも愛しのお姫様を守るために頑張る、近世初期のヨーロッパ風世界でお城と魔法使いと毒薬と陰謀がキーワードの恋愛?物語」です。なかなか主人公たちが出会わないという、ゆっくり展開につき…ごめんなさい。
※本編完結しました。挿絵がある回に★印をつけることにしました。カラーイラストページへは上部のシリーズリンクから跳んで下さい。
※改稿作業に入ります。本筋は変わりませんが序盤の描写が前後する可能性があります。ご迷惑をおかけします。2016.10.08
※改稿作業、終わりました! ありがとうございます! 2019.12.12.※同じ王国を舞台に別のお話を書いております。『宿命の星~したたかに見えてポンコツなお嬢様とやる気のないチャラい騎士のおはなし~』です、よろしくお願いします。
話数:全132話
ジャンル:アドベンチャー
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
むかしむかしあるところに、すべてを焼き尽くす炎の力を持った麗しい騎士と、すべてを凍てつかせる氷の力を持った美貌の王族がおりました。足して二で割ればちょうど良さそうな二人でしたが、残念ながらそうは簡単にはいきません。なぜなら騎士は両親譲りのポンコツで、目が合うすべての女性を惹き付けてしまうという天然無意識系のチャラい男装の麗人でしたし、王族は氷の魔王子と呼ばれ、下手をすると国をも凍りつかせてしまうようなオレ様執着系ドS王子だったからです。さらにこの無自覚イケメン女騎士を巡り、ヤンデレ王太子まで参戦したからさあ大変。したたかな二の姫や不遇の幼い末姫、思った以上に腹黒い国王まで巻き込んで上を下への大騒ぎ。陰謀渦巻く王国で、果たしてポンコツ女騎士とドS王子は、無事にハッピーエンドを迎えることができるのでしょうか。剣も魔法もあふれるきらびやかなおとぎ話。あなたもどうぞご堪能ください。
男装の麗人騎士ルベリアと、魔王子と呼ばれる氷の美貌の王子アウグストの波乱万丈恋物語。 魔法のお陰でこの世は意のまま、思いのまま……、どころか、大きすぎる魔力によって運命を翻弄され、重い宿命を負わされ、己の命すらままならぬ我が身と戦いながらも、騎士として、乙女として、一人の人間として、生きることに揺るがない主人公ルベリア。 不器用だが真っ直ぐなその生き方に胸が打ち震える。 そんなルベリアをひたすら求め続ける王子アウグスト。 その出会いが、その想いが、彼の心を変え、運命を変えて行く……。恋、裏切り、陰謀と、権謀術数渦巻く王朝で、一癖も二癖もある登場人物に翻弄され、すれ違う二人の運命は……?一途で純情、でもちょっぴりエロい、こんなに重いのに、実はコメディータッチの異色のラブストーリー。
この物語のヒロイン、ルベリアがそうである。とにかく恋にはとんと疎い。どれだけ疎いかと言うと「赤ん坊はコウノトリが運んでくる」と本気で信じているくらい疎い。そんな純でウブ(そして少々ドジっ子)な彼女の仕事は、なんと姫様を守る騎士。大切な主君である姫様の命を守るために、奮闘する彼女が、ある日ひょんな事から謎めいた美青年と知り合い……いきなり!!……をされるところから物語が回り始める。(だから何?)それにしても、と思う。世の男性方はこういう女性に弱い。頭が良くて、気が利いて、しかも行動力があって。そして性格は健気。もてないわけがない。しかし、往々にしてそう言う女性は人の恋心に鈍感だったりするのである。その辺の鈍感さをニマニマしながら楽しんでもらいたい。そんな小説である。ちなみに読むなら、徹夜してもいい日に限る。そう言う小説である。