評価:★★★★☆ 3.8
故郷を滅ぼされ、当てもなく彷徨った先にはダンジョンがあった。
力をつける為、憎しみと無力さを噛み締めながら少女リュアは幼い体ながらダンジョン攻略に乗り出し、攻略した。
最強クラスの魔物がひしめくダンジョンを攻略した少女が外の世界へ旅立ち、ある時は人助け、ある時は人智を超えた強敵に桁違いのダメージを叩き出し、相方の金髪少女ロエルと共に世界を駆ける百合冒険ファンタジーです。
話数:全352話
ジャンル:アドベンチャー
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
主人公のリュアが圧倒的に強い。とにかく強い。世界を滅ぼしかねないほど強い。そんなリュアだが楽な冒険者生活を送るわけではない。その強さから嫉妬されることがある。あらゆる国や組織から要注意人物と見なされる。世界を滅ぼしかねないほどの敵と戦うことが何度もある。殺される寸前まで追い込まれることもある。洞窟を出た時点でリュアは圧倒的に強いのだが、外の世界でも強敵との戦いを経てさらに成長するのだから恐ろしい。リュアがどれだけ強いのか、敵はどのようにしてリュアを追い詰めるのか、気になったらぜひこの小説を読んでほしい。
どんな敵にも負けない瞬撃少女リュアの冒険と戦いの物語+パートナーとのちょっと百合。たくさんのキャラクター、国、事件。戦闘シーンで挟まれる、コンピューターRPGライクなシステムテキスト。本作の魅力や特徴をかいつまむと、こんなところかなと。しかし、完結して内容を振り返って、ふと別の側面に気が付きました。本作は少数派、弱者のストーリーでした。リュアは強いけど他はからっきしで、他人から馬鹿にされたり嫉妬されたりしながらも、パートナーに支えられながら成長していきます。人が多数を占める世界で、登場する敵も魔族や獣人など少数派が多い。人を圧倒する力を持ちながら、なんらかの理由で辛い目に遭ってきたものたち。個人的には異性カップルのほうが萌えますが、リュアが同性愛者になるのも筋が通っているなと。ドタバタなファンタジーの中でこんなテーマを感じさせてしまうのだから、稀有な作品です。
始まりの洞窟でカンストするまで、レベル上げに努めてから旅立ったなら?道中の雑魚を蹴散らし、本来倒せないはずのイベントボスを瞬殺し、ラスボスだって初見攻略が可能かもしれない。そんな彼女がどんな旅を経験するのか、ヒロインは現れるのか。かんすとっぷの先には何があるのか。リュアちゃんここに在り!その目で確めてみてくれ。
だらだらずらずらーっと、説明感がなくてすんなり読める異世界モノ、結構無いものです。そこの落とし所から、あ、この最強モノ初心者に読みやすいなー、というのが最初に感じた、この作品への感情でした。進んでいくうち…いや、最初から主人公の苦労と成長と葛藤が見られていて、そこも人物的にとっつきやすく受け入れられやすかったのも有りました。感情表現が淡白だったり場面があっさりだったりするのも、そういう世界観、または、主人公目線ではこんな感情なのかも?という感じで、強さゆえの淡白さ、という捉え方も出来るのが良いですね。つまり百合は最高です()またチート野郎かよとか思わずに、読んでほしい作品です。