評価:★★★★☆ 4.2
ファザコン中年刑事とシスコン男子高校生シリーズ6作目です。
兄は……本当は俺のことをどう思っているのだろう?
たとえ半分しか血がつながっていなくても、ずっと優しくしてくれた。
その意図に裏なんてないと、ずっと信じてきた。
でも、今はもう真実がわからなくなってきた……。優しかったはずの異母兄が、本当は自分を疎んじていたことを知った藤江周は、ある日、義姉の口から自分の出生の秘密を知らされることになる。
なんとしてでも義姉を兄と離婚させ、本当に好きな男と結ばれるようにしてやりたい。
そう考えたが、現実は思うようにならない。
そんな折、義姉の実家が経営する温泉旅館『御柳亭』が廃業の危機に追い込まれていることを知る。なんとか経営を立て直すことができないだろうかと、周が和泉に相談したところ、知り合いの会計士を紹介してくれる。
その会計士は旅館従業員の中に横領犯がおり、その不正が経営を圧迫していることを突き止めるが、真相に迫るにつれ、命を狙われるようになる。一方そのころ、宮島の紅葉谷公園で白人男性の他殺体が発見される。被害者は結婚詐欺師として捜査2課がずっと追っていた人物だった。
警察は詐欺被害者の内の誰かが犯人だと考え、捜査本部を設置するが、判明している詐欺被害者達には全員、アリバイがあった。
話数:全243話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
うん……タイトル長いな……そして何より意味が無い……(いつものこと さて、シリーズも6作目ですな! 今回も「愛」と「憎」が、まるで人間たちにあらかじめ組み込まれている二重螺旋が如くに絡み合い、事件の本筋を見誤らせてくるのです…… さらには周の出生の秘密、旅館の経営危機など、人間が人間として生きていく上で避けて通れないような様々なことも怒涛のように巻き起こり、事態はさらなる混沌を生んでいくのであります。 そして殺人事件の奥に横たわる、何とも言えない確執と悲哀が、ラストに向けて緊迫感と共に押し寄せてくるのですぞ…… 周の姫っぷりにもますます拍車がかかり、その辺りどうなんの? 的なところで以下次シリーズ。 すべては……Rainの掌の上だと……いうのか……ッ(そこまででは無いはず 挿絵満載でそちらも楽しめる本シリーズ、秋の夜長におすすめですぞ!(初めていいことを言った
シリーズ第5作目! いよいよ主人公周君が隠されていた真実を知ってしまう事に! 姉への思い、父へと思い、姉の弟へと思い、とても泣ける、そして重要な回になります。みんな見逃すなよ!また今回の事件の方は、そんな複雑な人間模様に絡み合う形で、周君の家庭教師やらドイツ人ビアンカ、アレックスなどの新登場人物のしがらみに巻き込まれ大変な事に!毎度ですが、とても面白く完成度の高い作品になっています。是非是非に!
何人もの女性に甘い言葉を囁き、結婚をちらつかせてお金を騙しとる詐欺師……そんな男が殺された。あまたの女性から金を騙し取ったのだから殺されても当然という者までいるこの事件。犯罪者であろうと殺されたなら犯人を見つけなくてはならない。ファザコン刑事こと和泉と仲間たちは捜査をするが、思わぬ妨害にあってしまい――曲者刑事和泉、熱血高校生周、個性的な面々が今回も広島を奔走する。犯人と被害者の心を巧みに描くファザコン刑事とシスコン男子高校生シリーズ、5作目。読んだことのない方は1から読んでみましょう。推理小説が好きならどっぷり世界にはまれるはずです。
シリーズ五作目である今作。前作までに比べて、内容が多く、今まで以上に様々なキャラクター達や要素が盛り込まれています。それでいて面白い!ほのぼのして笑わせて腹筋を攻撃してくるシーンもあれば、スリリングでハラハラしたシーンもあるという!気をつけないといけないのは、物語にのめり込みすぎて時間の経過を忘れてしまうことで、楽しい事に夢中になっていると「え!?もうこんな時間!?」となってしまう現象。あれと同じです笑内容だけでなく、サブタイトルも凝られていて面白いものばかりなので、そういう所に注目しても面白いです!時間を忘れるほどの物語。是非、ご覧あれ!
所謂、刑事もの。いや。コレ、「ファザコン刑事もの」と、新しいジャンルを作るべきかも。その訳は作品タイトルにもありますが、2時間ドラマの香り濃厚な群像劇に、刑事ものを読んでいる事をつい忘れてしまうからです。しかし!やはりそこは刑事もの。『すぐに戻れ! 事件発生だ』現場は宮島弥山紅葉谷公園。結婚詐欺師の死体が見つかります。それまでの群像劇が見事に一つの事件へと導かれて行きます。スピード感が増し、独特の緊張感が伴って来ます。この刑事テイストの群像劇。シビれます。そして、スピード感が増し過ぎて口をスリップさせる和泉さん(子刑事)が見ものです。しかしそれも、取り締まる聡さん(父刑事)あっての話なのですがね。もう「聡さんもの」でいいかも、コレ。是非ともお読みになり、あなたの「〇〇もの」を教えてください。お礼は作品に含まれております。
ファザコン刑事最新作、いよいよ佳境。復縁をせまる、元女房。「会いたかったの、ずっと……!」「もう仕事に戻っていい?」和泉警部補の過去が明らかになるなかで交錯する(ってゆうか、息もつかせない)人生模様の数々が、いまひとつに……①旅館再建 「やっぱり、閉館するしかないのね」②撲殺死体 「どこかで殺害されて遺棄されたのでしょう」③昼ドラマ 「今日、仕事が終わったらケーキでも……」④義姉さん 「お願い、周君! 私と一緒にここから出て!!」⑤昼ドラマ 「実はな……和泉に気があるらしいんだ」⑥和泉警部補 「鼻血でそう。ティ、ティッシュ……」おっと、忘れてた。⑦ドイツ人美女 「何度も浮気を繰り返すような男と結婚して、幸せになれると思いますか?」秋の宮島で殺害された結婚詐欺師。厳島神社が結ぶ、をんな達のえにし……その真相は?広島県警捜査1課、出動 ―――
この作品は本当の父と子ではないが、父と子のような強い絆で結ばれた若い刑事とベテラン刑事の話だ。その二人の刑事によるシリーズの最新話である。ドラマ「相棒」を最新シリーズ最新話から見ても問題ないのと同じように、シリーズ物ではあるが丁寧な登場人物紹介があるため、この話から読んだとしても十分話を理解することができるので安心して頂きたい。この話をきっかけとして他の話を読んだとしても十分楽しめると思う。登場人物達の過去が話として存在しているため、まるで実在して生きているキャラのように見えてしまうほどだ。この話では、廃業寸前の温泉旅館の話と結婚詐欺師の殺人両方が語られている。どちらの話も質が高くこのままドラマ化できるほどだと思う。連載中であるため最後のページをめくって犯人とトリックを知ることができないのも緊張感があって最高である。これから事件がどんな方向に転ぶか注目だ!