ロストワード　ー魔獣師奇譚伝ー

大国グラナダ唯一の姫フィオーニアは病弱な姫を演じていた。
婚約者であるアディーロ国王子ラスキアに気づかれないように、国を抜け出してはエレアラ国へと赴いている。名前をイシュと偽り、エレアラ国に属する何でも屋メスティーダを手助けしていた。常に護りの魔獣達を従えて、どんな者が戦いに来てもそれを退ける力を持つ魔術師だ。彼女は魔獣師イシュとして名高く、メスティーダには強力なスケットだった。
深窓の令嬢は表の姿。裏の姿はどんな者でも軽くいなせる最強魔獣師。
婚約者ラスキアの指揮する艦隊に、フィオーニアはイシュとして堂々と乗り込み大暴れ。気づかぬラスキアはイシュを敵とみなし邪魔者を切り捨てようとしてくる。
フィオーニアはいつまでラスキアに偽り続けられるのか、フィオーニアが何故その道を選んだのか。
本心をさらけ出すことの出来ない二人が、何を間違えて進んで来たのか。
全てを失った後に、フィオーニアはやっと気づくことになる。