評価:★★★★☆ 4.1
この国には刑期がなかった。あるのは罪によって下される一度の罰だけ。
等級制の執行者は通称で拷問士と呼ばれ、その最高位であるリョナ子さんは国家特級拷問士。リョナ子さんは今日も元気に罪人の体に痛みを刻んでいます。たまに殺人鬼や殺し屋と対決したりして脱線します。
そしてかなりの頻度で別キャラの殺人鬼達が暴走します。殺人鬼 対 殺人鬼or異常者の話も半分くらいあったりします。
※運営さまの警告により、オリジナルとは別物レベルになってしまいました。
〈お仕置き中〉は本来拷問描写が。〈〇〇活躍中〉はあれなシーンがありました。(〇〇)内はご想像にお任せします。
話数:全167話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
正直に言って、読む人を選ぶ作品だとは思う。残酷な描写が苦手な方にとっては読み進めるのが難しいシーンも多い。けれど今の司法制度に歯がゆい思いをしている人間であれば、この作品にはむしろ共感を覚えるのではないだろうか。タイトルのインパクトとは裏腹に、作者は決して命を軽んじているわけではない。むしろ逆だ。犯罪は憎むべきものであり、いかなる理由があったとしても無罪放免にはならない。各個人が抱える事情に踏み込み、一定の理解は示しつつも、安易に赦しは与えられないのだ。自分の罪を知り、後悔を覚え、生命の尊さを思い知った者であったとしても例外はない。人を傷つけることに楽しみを覚えるのではなく、むしろ誰よりも痛みと辛さを知りながら仕事をこなしていく主人公の姿はどこまでもまっすぐだ。不条理がまかり通る世の中だからこそ、罪と罰の釣り合いについて考えさせられるこの作品は、あなたの心に衝撃を与えるだろう。
テレビをつけると毎日の様に流れてくる犯罪のニュース。誰かが加害者に。誰かが被害者に。この世は常に理不尽で。どう考えても刑罰が軽すぎる、と感じてしまうこともあるはずです。しかし、この世界では。犯した罪と同等もしくはそれ以上の痛みを罰として与えられます。罰を与えるのは通称拷問士と呼ばれる人たち。その中の1人、リョナ子さんとその周りの人たちの生き生きとしたちょっと凶悪で変わった日常をお楽しみください!あ、暇だからといって万引きをしたり人を殺したりしてはいけません。リョナ子さんに拷問されちゃいますよ?
よくニュースなどで凶悪犯罪などが話題となりますが、これだけの事をやってこれだけで済むの?と誰しも一度は思ったことがあると思います。このお話は「じゃあ、容赦のない処罰がある世界ってどういう感じ?」と思った方に一つのイメージを与えてくれる作品だと思います。主人公は刑を執行するお仕事をしてますので、グロ描写が売りと誤解しがちですが、この作品の本来の領域は思考遊びを真面目に描いてみたところにあると思います。実際に執行する人にかかる負担や、相応の処罰がもたらす残酷で生々しい応報の場面を、チラリと覗き見ることが出来る様に思えました。作者さんもしっかり下調べをしているので、何度も見返すと見えてくる「もしも」の世界。主人公のリョナ子さんが繰り出す軽快なテンポで、ちょっと見て行ってみませんか? きっとタイトルで感じる怖さは、現実では見れない「もしも」を覗き見る楽しさに変わっていくはずです。