リライト・ライト・ラスト・トライ 完結日:2017年7月11日 作者:はな 評価:★★★★☆ 4.4神獣の守護人は、異世界からやって来る。 守護人の護衛官を務めることになった青年トウイ。そして選ばれた少女・椎名。 彼女の願いは、故郷への帰還ではなく、世界の安寧でもなかった。 ──「望むものは、たったひとつ」 自サイトと並行連載。 話数:全102話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 W主人公 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 異世界転移 注意:R15 残酷な描写あり なろうで小説を読む
「諦めちゃダメだ、あんたの名前、き、希望だって、そう言ったろ。最後まで、捨てちゃダメだ、ノゾミ。俺は」 これは 異世界から来た女子高生の守護人がトウイという一人の少年を死なせないために何度もやり直し 奮闘する物語だ。この作品はひょろさんのレビューを見て読み始めたのだが 想像以上の内容で読んだら手が止まらなくなりました。死んだら風になる。 神様は人の中にあるというような言葉になんだか胸を打たれました。正直私の力ではこの物語について伝えたいことを伝えれませんが とにかくこの物語はなろうの中で最上位に素晴らしかったです。皆さんも是非御一読してみてください。 最後のチャンス 掴め 未来を (ひょろさんの言葉 かっこいい)
今、この選択で破滅を止められるのか?!〇〇にハメられる女子高生、否応なく戦いに巻き込まれていく、どうにかして救いたいという望み、何度も味わう挫折、そして周りに助力を請うことが不可能……なんという設定でしょう。ハードモード異世界チート無し、恋愛要素あり、可愛いやり取りにクスリ、各々目が離せない、守護人以外も応援したくなる、涙が抑えきれない。それぞれの「望むもの」とは……?珠玉の、と銘打って過言ではない作品です。あなたと初めて話したあの一瞬から……主人公の想いは?毎回刻々と変わっていく情勢、変わらない感情。果たして、報われるのか?そして、迎える結末は?!確実にあなたの心は惹き付けられます、この宝石の様な物語に。今すぐあなたにもノゾミ&トウイとこの世界を旅をして欲しい。大好きな作品をもう1作増やして欲しい。そんな愛を込めて!
この作品は、感情移入がしやすく、主人公の人生観や人の生き死について知ることができる作品です。何回も涙を流しながら、人と人との関わり、幸福があるならその分の不幸もあるということが、身に沁みてわかります。そして、それと同時に『人の怖さ』というのも知りました。それを、たくさん見て来た主人公。投げ出したくなることが多い世界で、大事な人との約束の為に、悲しみや辛さを抱え闘う姿が、切なく、勇気を与えてくれました。私もこの人生の中で、投げ出したくなることがあります。その時は、与えられものを大事に生きてみようと思いました。 人は儚いものですが、何かのために、誰かのために生きる姿はとても強く輝かしいものだと思わせてくれる、素晴らしい作品でした。ぜひ、皆様にも読んでいただきたいです。
この世界には神殿にある扉から異世界人が来るという伝承があり、主人公はその補佐をする役目として伝承通りにきたヒロインの側に遣わされます。しかし、ヒロインは何故か周りと距離をおき、突発的な行動ばかりをします。そして主人公はヒロインの態度や行動になにやら違和感を覚えながらも、徐々に惹かれていきます。この作品、各章5話という固定で、章が変わる毎に視点も変わるというなかなか面白い作品となっております!なのでW主人公であり、ヒロインの視点にもなるので女主人公ものともいえますね!主人公視点では基本的になにか事件が起きてそれを解決したりヒロインの護衛をするなど普通のファンタジーといった感じなのですが、ヒロイン視点だと世界の秘密を知らされている分かなり重い感じの作風となっております!最後までどうなるのか目が離せない、そんな作品となっておりますので是非一度読んでみてはいかかでしょうか!
書きたい物語があって、ふさわしい世界を用意し、ふさわしい登場人物を配置する。配置された人物が動き出し、物語が紡がれる。物語の芯がしっかりしているため、物語は濃密に読み手に迫る。読み出すと結末を見ずに終われない。決して安易に物語は進むわけではない。だから、なろうレーベルでよく見られるように、ノンストレスで俺SUGEEEで主人公がちやほやされるあるいはザマアという物語が読みたい人には向いてないかもしれない。しかし、読んだ後、良かった、満足したという物語を読みたい人には一読をおすすめする。僕は、レビューを書きたいと思うほどに満足した。
主人公は何度も「やり直す」けれど、主人公が置かれるのは、毎回「似て非なる」状況。通常の(?)ループものだと、「前回のやり方は間違っていたから、次は違う方法で」となるところだけど、この作品の場合はそれが通じない。なにせ状況が違うので、「前回は駄目だったやり方」が、今回は上手くいくかもしれないのだ。つまり、似た状況ではあるので、前回の方法もある程度参考にはなるかもしれないが、究極のところ毎回「一回目」なのである。とにかくこの「一回目」感がすごい。他の方のレビューにもあるように、作中ではループの描写はほとんどなく、最新の一回に焦点を絞っていることも一因ではあるだろうけれど、キモはこの「前回とは違う」という部分だろうと思う。その中でただ一人「くり返し」の記憶を持つ主人公。記憶がある故の苦悩と決断が心を打つ。厳密には「ループ」ではないかもしれないけれど、ループものの傑作と言えると思う。
本作品はいわゆるループもので、主人公・シイナと護衛官・トウイの視点を交互して進むのが特徴です。異世界に神獣の守護人として呼び出されたシイナがループする理由はただ一つ。最初のループで唯一親切にしてくれたトウイを死の運命から救い出し、「百日間トウイを生かす」という神獣との賭けに勝利すること。ここまではループものとしては王道と言えますが、本作品の特徴は「本編=最新のループ回の一回」であるという点。ループものはやり直しが効く分、ともすれば登場人物の命を(良くも悪くも)軽くしてしまちがちです。しかしリライトライト・ラストトライはそのループ要素を限定することでむしろ、生きるということの意味、価値を克明に描き出しています。正直なところ私の語彙ではこの小説の魅力を表現しきれているとは思えません。私がそうだったように、レビューを読んでこの作品を読んでいただける人が一人でも増えれば嬉しいです。
「神獣の守護人」として異世界への扉を開いてしまった主人公・椎名希美は、孤独の中に希望をもたらしてくれた護衛の少年・トウイの死を経験したところで、その世界への入り口に戻ってきます。そこで、神獣に迫られた選択肢は2つ。元の世界に戻るか、若しくはトウイを助けるため、死を運命づけられた彼を、100日間生き延びさせることができるかの「ゲーム」にのるか。何度リライトしても、トウイの死からは逃れられません。彼女はこのゲームに打ち勝てるのか…と、物語はミステリアスな色彩を放ちながら、トウイ視点、希美視点、と呼応して進んでいくのですが、登場人物も、世界観も、何もかもが魅力的です。「希望とは」「生きるとは」「正義とは」「信仰とは」を問われながら、胸がしめつけられるような切なさを感じながら読み進めています。希美の「リライト」が、彼女にとっての「正しい」道を辿りますように。
やり直しを経験するシイナの視点と、引き継がれないトウイの視点で進む物語です。シイナ視点ではシリアスでありながらも、擦り切れそうな中にある素の部分が垣間見えます。トウイ視点ではそんなシイナを客観視することができます。死の運命を定められたトウイと、それを回避するためのシイナ。護衛対象と護衛。運命を知る者と知らない者。異人と現地人。その違いからくる問題への捉え方が丁寧に描かれ、物語に厚みができています。ダブル主人公という形であり、その形式が上手くマッチしている作品です。全てを知る神獣の退屈しのぎはシイナにとって悪意の塊でありながらも、『定められた運命の中でも人は生きていてなにかに影響を及ぼし、それが運命を変える』、ということが伝わってきます。コッテコテの乗りと勢いと現代チートで乗り切る王道異世界転移作品ではなく、重厚で丁寧な等身大な物語を読みたい人にお勧めです。
一人称小説の利点は語り手の内面を細かく描写できることです。欠点としては、全体の動きがどうなっているのか、他の登場人物が何を考えているのか、といった情報が読み手に伝わりづらいという事でしょうか。それをカバーするために他視点を導入する手もあります。しかしこれをあまりに頻繁に行うと、話の流れを鈍くしたり、読み手の想像する余地を奪ってしまうという側面を持っています。この小説は章ごとに、視点が交差しながら動いていきます。それがメインとなる人物への共感と、スムーズな展開、彼らの内面を考える場を与えてくれています。長編ですが、文章もストーリーも上手く練られているので、だれる事なく一気に読むことが出来ました。強い流れに翻弄される少年少女と仲間たち。あらすじに書かれている少女の「望み」は、一体、どんな形で適うのでしょうか。彼らの行く先をこれからも見守っていきたいと思います。