評価:★★★★☆ 4
夏休みが明けた日、洲本霧香は人々の記憶から消え、“転校生”となった。
霧香のことを覚えているのは、幼なじみのうちのひとり、芦屋憶人だけだった。
それからも霧香は日ごとに人々の記憶から消え、転校生となるのを繰り返す。霧香は折れそうになりながらも、いつか誰かの記憶に残ることができると信じて、憶人と共にそんな状況へ抵抗をする。
それまで守り続けてきたものを壊しながら生き抜く時間は、霧香を強くし、美しさを極めさせてゆく。そばで見守る憶人に、その眩しさで影を引かせながら――――※縦書き閲覧推奨です。
話数:全39話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
一言で言うなら“爽快”それもアクション作品とかにありがちな爽快ではない、一気にその作品世界に惹かれて没入して、それが読み終えた時、その作品世界から帰還した時に、現実を忘れて物語の世界に没入できた時の陶酔感を読後も味わえる――それはただシンプルに爽快な読後感だった。当初はありがちなSFナンセンスロマンスかと思ったが、読み進めるうちにそれが勘違いだと気付かされる。そして、ある一点を超えた時に作品のカラーは予想外の勢いを持って激変していく。冒頭部でヒロインの魅力とそのミステリアスなドラマに引き込まれたなら、そのまま最後まで一気に読み切るべきだ。まだラストシーンが公開されていないのだが、今でも十分、楽しめる。それほどまでに確固たる“個”を持った物語小説だ。