評価:★★★★☆ 4.1
浅霧真は、この世に留まる悪霊を浄化する退魔師の家業を受け継ぐ高校一年の少年である。
しかし、任務の際に命を落としかけた彼は幽霊の少女に命を救われる。
少女には生前の記憶がなく、結果として取り憑かれてしまった真は、霊のくせに騒がしい彼女と共存しながら記憶を探す手伝いを余儀なくされた。
そしてある日、市内の廃ビルに出るという亡霊の調査依頼を受けた際、二人は現場である組織と遭遇する。「真さん。あなたの魂は、わたしが支えます」
互いに欠けたものを補い合いながら、少年は少女と大きな戦いへと身を投じていく。
話数:全185話
ジャンル:異能バトル
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
更新を楽しみにし続けて来たこの作品が、ついに完結を迎えました。 この機会に、たくさんの方に作品を紐解いていただきたくて、レビューを書きました。 この作品の魅力は一つに絞れません。 とにかく文章が綺麗です。読みやすいのでした。 研ぎ澄まされた感じがあり、読んでいて心地よいです。 戦闘場面の描写の迫力もイチオシです。毎回、鬼気迫るものを感じてきました。 ホラー風味、恋愛風味、青春風味。 いろいろな味わいがありました。 人物たちも個性豊かです。悪役であっても、読んでいるうちに愛着を感じてしまいます。 きっと、お気に入りの人物ができると思います。 色々な角度から楽しめる作品です。 ぜひ、ご一読ください!
体をなくした清らかな少女。 そして、彼女に取り憑かれた少年。 一身同体となり、惹かれあいながら、二人は厳しい戦いの渦中に放り込まれてゆく。 彼らを見守る人々もまた魅力的だ。 この作品に登場する人物は、皆がきちんとそれぞれに一本の芯を持っている。そこにまことの説得力を感じる作品というのは、ありそうでなかなかないものだ。 己が意思を凛として貫こうとする姿は美しい。それが善いか悪いかはともかくも、むしろすがすがしく思えるほどに。それは恐らく、書き手の心のありようを表出しているからなのだろう。 文とはまさに、人だからだ。 冒頭からとても丁寧に紡がれてきたこの物語を、序盤からずっと追いかけてきた一読者として、終焉の足音はある種の寂しさを彷彿とさせる。 しかし、声を大にして言いたい。 今なら、まだ間に合うのです。 ぜひともその終焉を、ともに見届けてくださいと。