評価:★★★★☆ 3.9
惑星間航行技術を確立させて既に二千年。その活動範囲を銀河系全体へと広げていた人類は、多くの惑星を開拓、開発し、人間が居住可能な環境へと作り変え、次々と移住を行っていた。
そんな中、<星歴>一九九六年に発見された惑星リヴィアターネは、人類に大きな衝撃を与えた。なにしろそれは、何も手を付けなくてもほぼ地球と同じ環境であったのみならず、明らかに人工物、いや、紛れもなく地球人類以外の手による住居跡が遺跡として残されていたのである。
文明レベルとしては精々西暦一〇〇〇年前後頃の地球程度と推測されたが、初めて明確な形で確認された地球人類以外の知的生命体の痕跡に、発見当時は大いに盛り上がりも見せたのだった。
綿密な調査が行われ、大規模な惑星改造の必要もなく即移住可能であることが改めて確認され、また遺跡がある意味では観光資源になるとも期待されたが故に移住希望者が殺到。かつてない規模での移住が開始されることとなった。
惑星リヴィアターネは急速に開発が進み各地に都市が形成され、まさに本当に意味での<第二の地球>ともてはやされたのだった。
<あれ>が発生するまでは……。
人類史上未曽有の大惨事により死の惑星と化したリヴィアターネに、一体のロボットが廃棄されるところからこの物語は始まることとなる。
それは、人間の身の回りの世話をする為に作られた、メイドを模したロボット、メイトギアであった。あまりに旧式化した為に買い手も付かなくなったロボットを再利用した任務を果たす為に、彼女らはここに捨てられたのである。
注)この物語は基本、バッドエンドメインです。そういうのが苦手な方はご注意ください。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
オムニバス形式のポストアポカリプスものです。舞台はとある遺跡から発見された菌による病気「偽生症(CLS)」あるいは病原性ゾンビが爆発的感染を起こし、初期対応に失敗して惑星規模のパンデミックにより、人類にとって死の惑星となったリヴィアターネ。次々と送り込まれる(廃棄される)アンドロイドたち。そしてアンドロイドたちによる死してなお動くCLS患者に送る鎮魂歌(銃弾)。しかし着陸時に損壊する機体、尽きないCLS患者に潰される機体、罪悪感により自己破壊する機体。かと思いきや比較的無害なCLS患者を飼育(養育)する機体、僅かに感染せずに生き残って保護される人間。さらには見解の不一致で起こるアンドロイド同士の戦い。無常を感じさせる結末ばかりなのですが、哀愁の中にもどこか浪漫を感じさせます。変わった作品ですが、面白いので読んでみてください。