ソパ デ マリスコス 完結日:2017年8月13日 作者:有月 晃 評価:★★★★☆ 4.3ヨーロッパ最果ての寂れた漁村。 私が出逢った一皿のスープ。 ―――――― 初出はエブリスタ。 三行から参加できる超・妄想コンテスト「極上の美味」に参加……しようとして期限に間に合わなかった作品です。 【短編 No.4】執筆期間 2016.10.12〜2017.4.10 話数:全9話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 ガリシア地方 スペイン バックパッカー 旅 短編 注意:全年齢対象 なろうで小説を読む
人間は頑張りすぎる生き物だ。荷物を持って歩き続けている時には気がつかなくても、一度休んでしまえば抱えていたものの重さに押しつぶされ、身体中に残る疲れで立ち上がれない。このままどうなってしまっても構わないと投げやりになるくらいに。この作品の主人公は、とある理由でスペインを旅する日本人だ。旅先で倒れた彼は、さびれた村の中で頑固な老人と意地っ張りな女性と出会う。孤独を抱えた彼らのやりとりは、どこか静かで美しい。文章を辿れば、潮風の香りとカモメの鳴き声があなたの中に飛び込んでくるだろう。眠れない時、食事を食べたいと思えなくなった時、どうしようもなく孤独で寒すぎる時。そんな時には、旅に出てみるのも良いかもしれない。美しい風景や他人の優しさ、そして一杯の温かいスープがきっとあなたに生きる意味を思い出させてくれる。
世界を旅するバックパッカーが立ち寄ったスペインのとある地方。とある民家に泊まることになった主人公の話。その場所の空気が咽せ返るほどよく描かれていて、作品中、濃い国外特有の匂いが充満している。酷くアウェイで、一人旅の孤独からすっーとスプーンで旅先の人情に掬われ救われるようなイメージでした。同作者の作品の中でも、三指に入る程の良作なので、ここにレビューとして、載せさせて頂きます。