評価:★★★★☆ 4.3
ある研修医が働く病院で、謎のアレルギー症状を抱えた患者が息を引きとった。
彼は大学に帰り、その原因究明のために奔走するも、患者があとを絶たないことに頭を悩ませる―。そんな頃、他人の遺伝子と入れ替えられ、醜くなってしまった青年ラッセルは、遺伝子工学の世界に興味を引かれ、その研究者を目指していた。
バック氏から受け継いだ青いバラの再現に取り組むも、なかなかそれが実現しないことで自らの研究者としての未来に失望し始めていたが、いつかは夢である7色のバラを作りたいと、諦めず挑戦し続ける。
だがそんな彼の前にも、謎のアレルギー症状を持つ人たちが現れて--。
アレルギーはなぜ起こるのか。
その真相にたどりついたとき、彼らは前代未聞の道を歩むこととなる。様々な人の思いが交錯し、やがてひとつに結びつくSF大河ファンタジー!
☆青いバラ-blue rose-の続編です。
☆空想科学部門、最高日間ランキング4位!
☆完結済みです。ご指摘・感想などお待ちしております♪
※星野青明2017
※この作品の著作権は作者に帰属します。いかなる理由があっても無断転載・無断引用は固く禁じます。
※Unauthorized copying and replication of the contents of this site, text and images are strictly prohibited.
※禁止未经许可的转载、重新发行。文集禁止擅自转载我的画。文集文章的擅自转载也是禁止的。
話数:全52話
ジャンル:ラブコメ
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
分かっているようで実は分かっていない「遺伝子組み換え」をテーマにしたSFです。謎の症状を訴える患者が病院に運ばれてくるシーンから始まるこの作品は、背後に蠢く何かへの好奇心とともに読者をストーリーに引き込みます。物語の骨格である遺伝子組み換えについての科学的な説明が丁寧で、楽しめると同時に勉強になります。生物の勉強に苦戦している高校生諸君はぜひぜひ。そして、これは強調したいのですが、本作は決して淡々とエビデンスとロジックを積み重ねるだけの「ドライ」な作品ではありません。児童文学家を志されている作者様の情熱と生きることへのメッセージが本作には詰まっております。もどかしくとも迫真的な恋愛描写も魅力的です。間違いなく今後の社会を変えてしまうであろう遺伝子工学の発展。このSFとともに「現実」と向き合ってみませんか。
豆乳等にあるこの一文、みんな読んだ事があるよね?つまり食卓に直接乗らないだけで、世の中には遺伝子組み換えされた大豆が流通しているということ。それが僕らにどのように作用するのか、まだ良くわかっていない。あなたが飲んでるソイラテは平気?南極の氷が溶けてますって言うのと変わらないリアルな恐怖。考えても不安しか残らない。そんなことより今晩の夕飯の方が大事だ。だが後書きから、偏屈さがビシビシ伝わってくる敬愛すべき作者様は、そうは思わなかったようで、この遺伝子組み換えを題材に本作をガチンコで書いている。この屈折した作者様は、ぬるま湯になれている僕らに喧嘩を売るような作品で挑んできているのだ。裸足で逃げ出したいところだが、サイエンスミステリーとも言うべき展開が気になって僕を逃がしてくれない。本作は青いバラの続編だが、カーズとカーズ2ぐらい違うので、読んでなくても平気。