評価:★★★★★ 4.5
テストリア大陸にあるファランティアの地は、ドラゴンとの<盟約>により人間の領土と定められた。
その約一〇〇〇年後、ファランティア王国で最後のドラゴンが死に、物語は始まる。
最後の竜騎士となったランスベルは使命を果たすために旅立ち、守護者を失った王国では人々の生と死が戦火を彩る。生き残るべきは誰か、死すべきは誰か、そして忘れ去られるべきは誰なのか。
盟約暦一〇〇六年の冬、<王都の戦い>は光の竜騎士の出現とともに終結し、物語は幕を閉じる。★複数の主人公による群像劇です。最後の竜騎士ランスベルは主人公の一人です。
★もう少し詳細なあらすじとして、各章最初に前章の「あらすじ」があります。
★各話タイトルは、「主人公の名前 ―時期―」になっています。
★ある程度、出来事単位のまとまりを意識してはいますが、時系列に並べるほうを優先しています。
★アルファポリス様にも外部サイト登録してます。
★誤字脱字修正版をカクヨム様、LINEノベル様にも置かせてもらっています。
話数:全170話
ジャンル:エピック・ファンタジー
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
本作の完成度は小説家になろうの頂点にあります。緻密なプロット、奥が深い世界設定を持ちながら、描写に過不足がありません。それどころか、誤字脱字までも全くありません。投稿期間わずか半年、この文章量でミスが無いというプロの仕事です。本作は群像劇だけあって、様々な人の「生き様」が表現されていますが、そのいずれもが魅力を放っています。それでいて話の大筋は主に二つの流れに集約されており、混乱しにくいよう配意されています。文体は三人称で、平易で抑え目です。丁寧さを保ちながら過剰ではない描写で、場面を思い浮かべつつ読み進められます。導入部から終章まで、鮮烈な印象を与える場面が散りばめられた構成も秀逸で、かつ時間軸に沿っており、内容の濃さに比べ理解しやすいものです。流行のものとは言えない本作ですが、時代を越えて通用する堂々たるファンタジーです。是非ご一読ください。