評価:★★★★☆ 4.4
三線と唄が紡ぐ物語
月夜の晩、調弦の音がする
女は薄く目を開けた…*アンリさま主催 一目で恋に落ちる春企画に後付け参加
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禁止私自转载、加工
禁止私自轉載、加工著者:なななん
話数:全4話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
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職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
沖縄に住む祖母を持つ、とある女子大生。彼女は年に一度、沖縄に行けるというサークルに入ることになり――その歓迎会で、三味線を弾けると言ってしまった。 その流れで彼女は、ある曲を弾くのだが……それは、男達を虜にする唄であった。そして、彼女の唄に魅入られた男の1人が、彼女に惹きつけられていく。 沖縄の唄が持つ不思議な力と、それに端を発する男女の恋慕を描いた物語です。音楽と恋愛が好きな方は、ぜひご覧ください。
親類に沖縄県民の祖母がいて、沖縄に思い出のある私は、本土に移り済んだあと大学のサークルで沖縄好きの者達が集まるグループへと入会する。理由は至極単純、年に一回だけとは言え大好きだった沖縄に行くことができるから。そして、ことの発端は私が沖縄の好きな所と言われて考えたものが大好きだった祖母から手ほどきを受けた三線だった。サークルの新人歓迎会に置いて、その場の雰囲気というか状況というか一言で纏めれば、成り行きにより私はある歌を弾く。それは、多くの男たちを袖にする歌であると同時に男を虜にさせる歌でもあった。音楽に興味のない方も、あるいは沖縄に興味のない方も、そしてどちらも興味のない方も、そして勿論それら全てが大好きな方も、平等に楽しめる作者の思いやりがつまった作品が本作品だと思う。豊かな表現力に裏打ちされた本作の魅力、是非ともご一読の上で判断していただきたい。
小学生時代の夏休みは必ず沖縄の祖母の下で過ごしていた主人公。 その懐かしさから、大学生になり沖縄サークルへと入会することになった。年一回の沖縄旅行もあるという。 そのサークルの新人歓迎会で、沖縄の魅力を三線が好きだと表現した主人公には、本当に三線が巡ってきてしまった。 さんざん固辞するも、その場の雰囲気から1曲だけとつま弾き始める。 その曲の持つ意味とは反対に、その場にいた男たちを魅了してしまった主人公。 そして、魅了された中のひとりが、主人公の領域に近づいてくるのだが……。 短編物語の全編で、沖縄の風と三線の音色が感じられます。 そんな素敵に綴られた文章によって、あなたも沖縄の魅力に取りつかれるかもしれませんよ。 そして、最終章。ここに甘い風が舞い込みました。 刻が廻るのは素敵なことなのです。『俺だけに歌って……』の言葉が、また素敵に響きます。
祖母が沖縄出身で、沖縄に小学校六年間の間の夏休みに欠かさず沖縄に行っていた女性が主人公である。彼女は大学生なり、中高と沖縄に行くことができなかった寂しさから沖縄サークルに入る。年に一回沖縄行くことができるといううたい文句につられてしまったのだ。新人歓迎会で訪れた沖縄料理店で彼女は三線を渡される。彼女は祖母から三線を教えられていたのだった。そして彼女はある歌を三線の乾いた音と共に歌う。その歌は男を袖にする歌だったが、それは同時に男を落とす歌でもあったのだ。彼女の歌声に何人の男性が落ちてしまったのだろう。歌には特別な力があることを教えてくれる作品だ。これをきっかけに沖縄の歌を聴いてみることをおすすめする。