評価:★★★★☆ 3.5
全ての人類の眼に宿る生き物、――眼棲生物(アニマ)
人はアニマの能力を活かし、様々な職業に従事していた。
しかし、大学生朝島始(あさしまはじめ)の眼にはアニマはいなかった。普通なら幼少期に孵るアニマの卵が、20歳過ぎても未だに孵らない。中身が腐っているのか、殻しかないのか。
朝島始は、アニマを孵すために自分で自分を実験することにした。「おめでとうっす、先輩。……いや、ご愁傷様っすかね。先輩のアニマが孵ったのはいいんですけど、これは厄介極まりないアニマっすよ。私が石化したのも、先輩のアニマによるものっす」
「なんの、アニマなんだよ」
呆然と聞き返した俺に、藤村は慰めるように告げた。
「大いなる幻想種、猛毒たる蛇の王、――魔眼バジリスクっす」※この小説はライトノベル作法研究所の『不思議な卵企画』に提出したものです
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
「目は口ほどにものを言う」なんて言葉があるが、本作はそれを体現したような物語である。ちょいと想像しただけではピンとこない設定だが、ストーリーが進むにつれてじつによく考えられているなと感心しきりだ。瞳のなかに棲む生物。それによって変化する個性。こういうのをセンスの塊とでも言うのだろうか。ネタバレは避けたいのであとはぜひ読んでもらいたい。