評価:★★★★☆ 3.7
少年・神無月稀名(かんなづきまれな)は、いつの間にかほかの日本人四人とともに異世界へと転移させられていた。
異世界に来る勇者の素質ある者は、必ず最強クラスの魔法の剣を携えてやってくる。
しかし稀名が持っていた剣は……周囲をリラックスさせる風を生むだけだった。
攻撃力ほぼ皆無なせいで、魔王を倒す勇者の一員になれずに追い出された稀名。
頼れるものは何もなく、自分の常識は通用しない。
しかしもともとニートの彼だけがわかっていた。
最高の安息はすべての暴力を凌駕し得ることを。
話数:全122話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
主人公が転移してから手に入れた能力は、あまりにも限定的です。風で相手をリラックスさせるだけ。そんな力でどうやって異世界を生き抜いていくのか。初めはあまり使い所が少ない能力ですが、主人公稀名の機転で次第にその幅を広げていきます。そこがこのお話の見所の一つです。もう一つの見所は、個性的なキャラです。敵か味方かはっきりしない人も中にはいますが、その多くに共通することがあります。変態です。彼らに対する稀名の全力ツッコミが、このお話のいいアクセントになっています。個性的な敵味方に振り回されつつも、時には真面目に、また時にはツッコミに。稀名はニートを続けるために、全力で物事に立ち向かいます。彼がアクの強い人達や精霊達の間をくぐり抜け、安息の地を手に入れるのは、いつの日でしょうか。物語は終盤に近いようです。稀名の行く末に期待しています。