エンジェリカの王女

お金にも生活にも困らない王女としての暮らし。まわりに守られながら贅沢三昧を満喫することが、本当に幸せですか。それは、他人に「生かされる」だけの人生。暑くもなく寒くもない。天敵に襲われることもない。餌も豊富にある。籠の中で暮らす鳥と変わらない。主人公のアンナは外に飛び出して「生きること」を選んだ。このお話はファンタジーの形をとりながら、自分を信じて「生きること」を教えてくれる。何かに失敗したり、他人の生活や能力が羨ましくなった時に力を授けてくれる、優しさにあふれたお話です。スーッと入り込んでくる流れるような文章と個性豊かなキャラクターが物語の世界に引き込みます。一話一話が程よい長さで、忙しい人でも読み続けられます。長編の楽しさを教えてくれる作品でした。

ほわほわっとしていて可愛い感じの王女様。天使アンナの成長物語。王宮から出たことによって沢山の出会いや苦難がアンナを襲います。世間知らずのアンナの事が心配になったり、イライラしたり、感心したりと読み進めるとどんどん共感していきます。彼女以外にも生き生きと描かれるキャラクターに世界観。徐々に肉付けされていることと、地の文が丁寧かつ軽いので堅苦しくなくてとても読みやすいです。お姫様は王子様や騎士に助け出されて幸せに暮らしました。めでたし。なんてとんでもない！自分の未来は自分で切り開きたい！そんなアンナ王女の奮闘、温かくて優しい物語に癒されます。

アンナは自分をさらけ出す時がきたと感じたのです。自らの意思や考えを頼りにして、愛と自由の素晴らしさに目覚めたのです。 アンナは自分に正直なだけです。それが時に、誤解や災いをもたらすことがあると知ってはいるのです。知ってはいるのですが、アンナは自分の生き方を歪めてまで生きるつもりはなく、ただ、愛する人に寄り添って生きることに輝きや希望を見いだしたのです。それは素晴らしいこと。例え周りに反対されようとも、アンナは真実の愛に生きることを求めたのです。 アンナは自由に成長していきます。物語は優しさで溢れていますので、ぜひ読んで欲しい小説です。『勇気を与えてくれた』と実感する小説になるはずです。

明るく自由爛漫な王女の物語王女の身を案じる厳しすぎる侍女や優しく強い青年の存在。そんな窮屈な宮殿から初めて、世間知らずの王女が訪れた街中、眩しく輝く世界は、規則で縛られた王宮にない活気に溢れていた。価値観の違いと立場の違いに驚きながらも街の中で生きる天使達の生活を垣間見る姿や、王女の責務を果たす王女の名はアンナ。そんな女王に襲い来る魔の手、何も知らなかった女王はそこに新たな真実を見る。知らない事が罪なのか、知りすぎる事が罪なのか、王女の心が成長する時、新たな世界が見えてくる。多くの人の助けを得て成長する王女の運命は果たして…… この物語は只のプリンセスストーリーではなく、偉大な物語へと変化する。貴方の知らない王女、アンナの物語。美しく強い女性の生き方を読んで感じてほしいと思う作品です。

負けないでと伝えたくなる。そんな王女様の物語。忠義を貫けと祈りたくなる。そんな白き青年との物語。一から話数が進むごとに、徐々に肉付いていく登場人物は、まるで彼らが織りなす世界観そのもの――ほんわか？ 優しさ？ 甘ったるい？違います。女の子はいつだって心の中で戦っているんです。――そうでしょう？ あなたも。