評価:★★★★☆ 4.3
北沢遥、普通の中学二年生。
引越し先のこの街でひょんなことから出会ったのは、ヒトだけではなかったみたい……?
これは、すこし内気な女の子とすこし訳ありの男の子が
周囲の人とか、人でないナニカとかと過ごす、ほのぼの成長物語。2017/03/17 完結しました。ありがとうございました!
※「小話の部屋(N0928DT)」に、if話やサイドストーリーを掲載しています。
話数:全32話
ジャンル:料理モノ
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
よく、子供の頃には不思議なものが見えると言われています。大きくなると共にそれらは見えなくなっていくもの。でも、たまに大人になっても変わらずに見える人もいるのです。このお話はその不思議なもの達を見ることが出来る子供たちが、少しづつ成長しようとする物語です。ふんわりとほんわかと物語は進んでいきます。不思議なもの達も、人によって見え方が違います。そこがまた物語に、いいアクセントになっているのです。見えないかもしれないけど、もしかしたら私達の隣にも不思議なもの達はいるのかもしれません。
中学生という多感で瑞々しい少女が主人公である、この作品。願わくばこんな女の子になりたかった、いや傍に一人いるだけでも!と思わずにはいられない、そんなヒロインです。そして少女は『おとぎ話』にでてくるようなお家の住人達と出会い、そして自分自身と向き合ってゆくことになるのですが……。その『お家』で出会う人や『ナニカ』がとても魅力的なのです!優しく強い人、主人公と同じ目線で悩み隣を歩く人、そして少女が見る『ナニカ』はあまりに可愛過ぎる!!少女というフィルターを通して感じる世界は、優しくて可愛くて、まさにタイトルの『おとぎ話』のよう。温かな料理。甘いお菓子達。それに加えて思春期ならではの悩みや『ナニカ』へのほんの少しの恐怖というスパイス。たいへん美味しい物語となっておりますので、どうぞご一読あれ!
口には出さない大切な想いがある。それに気づいた時、きっとあなたは少しだけ大人になる。少し内気な女子中学生の遥。引越し先でのちょっとしたアクシデントにより、彼女は訳ありの少年と出会います。少しずつ甘酸っぱさを漂わせる二人を見守るのは、ちょっと不思議なナニカたち。そして、二人に明かされる真実とは……。作品を通して丁寧に描かれるのは、ひたむきに生きる等身大の子どもたちの姿です。勉強にスポーツに、好きなことを見つけて一生懸命に頑張ってきた子どもたちは、やがて「好き」だけでは片付けられない大きな壁にぶつかります。それは今まで疑問にも思わなかった男女の友人関係や親子関係についても言えること。子どもたちは、少しずつ大人の階段をのぼっているのです。ゆっくりでいい、いつかあなたにとって大事なものを見つけて欲しい。そんな優しい気持ちが込められた作品です。