評価:★★★★☆ 4.3
冷戦において最も激しく行われたのはミサイルの開発競争であったが、
このミサイル開発競争のために行われた宇宙開発における米ソの戦いは凄まじいものであった。結果的に米国の勝利によって現在に至る……などといわれていたのは2000年前半まで。
2010年代においてロシアが大量に公開しはじめた宇宙技術関係の特許技術により、米ソの評価は完全に覆ってしまった。公開されたデータによる最新の評価は「技術力のソ連」「金にモノを言わせてゴリ押しで結果だけ残した米国」というのが現状では極めて正しい評価である。
今回の小説内では米ソの技術力の差がいかほどにあって、どういう状況が生まれたかについて触れてみたい。
短編なのでそんなに話数は増えないはずであるが……
話数:全12話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
鉄のカーテンに包まれていたソ連の宇宙技術を、トイレを筆頭にして紹介されている作品です。ジャンルはSFではなく歴史になっています。 信憑性に注意は必要なのでしょうが、知られざる世界が目の前に開けてきて、知的にエキサイティングでした。 宇宙開発競争を行っていたアメリカとは根本的な思想に大きな違いがあり、そこが技術にも反映されているところが面白いです。 自分にはソ連の技術の方が「健全」に感じられました。思想の根本は超ネガティブですが……反対に夢のあるアメリカが現場には無理を押しつけてしまっていることは示唆に富んでいる気がしました。 ロシアの情報開示に今後も期待ですね。その内容を知ることができるのも、作者様のおかげなのでありがたいです。
スペースシャトルに乗って宇宙へ行く。近い未来は月の石すら拾いに行ける。 こうしたイメージをするとき、その船体は大体アメリカ製をイメージするだろう。しかし、この小説を読み終わる頃には宇宙に出るならロシア製になるのだと思考が変わる。 テレビや雑誌、ネットに出ている情報だけで現実世界は出来ていない。本当のところどうなのかという情報は、いつの時代も情報を隠す必要も無いほど、事が進んでから廃棄されるように世間に出される。 当事者にとって30年も40年も前の情報など、今は参考にもならん程に古いのだろう。しかしだ。それは当事者にとってだけなのだ。周りは違う。その事実を知った時、初めてイメージが、思考が、見る目が変わるのである。 この作品には、今ある普通を更新するだけの事実がある。 ロケットだけに目が行く作品ではない。読了の頃、普段受けている情報操作がどんなものかが垣間見えるだろう。
” 一気に読ませていただきました。とても面白かったのでレビューを書かせていただきました。 言うまでもなくお薦め作品です。 今日に至るまでの東西宇宙技術開発の歴史を、飾らない言葉、筆者様の独自視点と軽妙なノリでテンポ良く語られています。 近年になって公開されてきた資料から見えてくる””かの国””の技術レベルと、そこから語られる””某””同盟国の実態は、読めば読むほど Σ(-∀-;) となります! 是非読んでみて下さい!(゜ω゜)ノ”