評価:★★★★☆ 4.4
1888年 倫敦
大英美術館に収まっている日本美術品の中に贋作の疑い有りとの指摘があり、
ジェラルド男爵家は日本から一人の美術鑑定士を招き入れ、真偽の美術品鑑定が終わるまで預かる事となった。
男爵家次男・アルバートと前に現れたのは漆黒の髪と黒瑪瑙の様な美しい瞳を宿した男性で……*ボーイズラブではありません。
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禁止私自转载、加工
禁止私自轉載、加工著者:なななん
話数:全15話
ジャンル:仕事もの
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
美術品の真贋の鑑定のため、ひとり渡英することになった、この物語の主人公。 髪を切り、決意を抱え、訪れた先で、この国での世話役、アルバートと出逢う。 そこで、アルバートの心遣いに気付いた主人公が、魅惑的な瞳を細めて柔和に礼を言ったのだ。 その表情、その仕草、その言葉によって、アルバートがある疑念を胸に抱いた。そして主人公の黒瑪瑙のように美しい瞳に、吸い寄せられていくことで、アルバートの庇護欲は更に高まっていく。 主人公の抱える秘密とは……? アルバートの胸に宿った想いとは……。 鑑定というミステリアスなギミックに、恋愛というロマンチックなロジックを加えた、モノクロームな少しだけ前の時代の物語。 黒の真の美しさを、この物語で素敵に味わってみませんか……。
贋作の疑いがあるという美術品を見定めるため、海を渡り英国へと赴く1人の鑑定士。黒瑪瑙の瞳と艶やかな黒髪を持つ、その人物は「ある秘密」を胸に秘め、英国貴族の嫡男・アルバートと出逢う。 彼と行動を共にすることになった鑑定士「ハジメ・ナリタ」がひた隠しにしている「秘密」とは。そして、贋作を巡る真実とは――。 なななん先生の豊富かつ濃厚な美術品関連の知識や、歴史に纏わる蘊蓄が満載であり、非常に勉強になる「恋愛小説」です。 そう、「恋愛小説」なんです。しかも超絶甘いんです。読んでてニヤニヤが止まりませんし、ドキドキも限界突破不可避ってくらいに「恋愛小説」なんです。 ネタバレになりますので詳しくは申し上げにくいのですが、とにかく勉強もできてニヤニヤもできる、甘っ甘な「恋愛小説」なのは間違いありません。ぜひぜひ、ご一読ください!
凛々しく輝く黒瑪瑙と見紛う瞳と、艶やかに揺れる短い黒髪をその身に持つ、東洋の美術鑑定士が異国で活躍する物語である。 葛飾北斎の浮世絵、その真贋の鑑定をメインにストーリーが展開していくが、特筆すべきは、主人公・イチが魅力に溢れている点であろう。 それは、作中の相手役・アルの行動からも容易に推察できる。そして、アルの身近な関係者たちの行動や言動からも垣間見える。 貴方の目にも、きっとそう映るはずだ。 とにかく、プロローグで惹きつけられ、始まりの数話で引き込まれる。ハラハラもドキドキも、この物語には散りばめられ最後まで飽きることはありえない。 気づけば……、読み終えているに違いない。
なろうでは珍しい、イギリス、ヴィクトリアン時代をモチーフにした恋愛小説です。ヴィクトリアン時代といえば、イギリスが空前の繁栄を誇っていた時代です。ステイツマンが国家を指導し、ディズレーリとグラッドストンの政治ゲームが行われた時代でもあります。ジャポニズムが隆盛した後のお話です。男装の麗人と英国貴族の恋はどうなるか……というのは本編に譲るとして、作者様が上手いと感じた理由は、こうした社会背景を取り入れ、この作品を執筆しているということ。もちろん、細かい指摘をいれようと思えば、その道に詳しい人ならいれられるかもしれない。あくまで恋愛を主題としてこうした背景をさりげなく織り入れることによって、キャラクターの説得力は増すものなのだと思います。
この作品は不思議な恋愛小説だ。私はそう思う。最後の一文まで飽きることなく実に楽しく読み進めることができた。ただニヤニヤするだけの小説なのかと思いきや、著者の豊富な美術知識によるものもあり、読者の知識の幅を広げることもできる。実に面白い、不思議な作品、それが私の印象だ。アルバートにしろ、その行動には非常な人間味があり感情移入しやすく、主人公である市の美術バカっぷりも思わずクスリとしてしまう。ただの恋愛小説としてだけでなく、良質な人間ドラマでもある。主人公である市がなぜ、単身性別を偽り英国に向かうことになったのか、アルバートや周りの人間の対応など、その情景が私たち、読者の頭の中にたやすく入り込んでくる。それをこの短さの中で効率よく凝縮しまとめた筆者の力量には敬服せざるおえない。短いながらもしっかりとした読み応え、ぜひあなたも味わって見られることをお勧めする。
男爵家の次男であるアルバートは父親から不本意な役目を押し付けられた。今までは嫌なことから適当な理由をつけて逃げていたのだが、今回ばかりはそういう訳にはいかなかった。出会ったのは東洋より来たりし、オニキスの瞳を持つ少年に見える青年だった。東洋のオニキスに周りが魅了される中、アルバートは周りの思惑から守ろうと動こうとした。そんな中、偶然にも彼はオニキスの秘密に気付いてしまった。オニキスを愛でたいアルバートは、願いを叶えるために動くのだが、オニキス自身が拒絶をしてくるのだ。アルバートの思いは叶うのか?オニキスの心の内は?それは、あなたが読んで確かめてください。
十九世紀イギリス大英美術館にて、とある日本の美術品に贋作の疑惑が持ち上がった。これを受けた政府は、その道に詳しい美術鑑定士を日本から呼び寄せることにする。ある貴族の次男であるアルバートは、不在の兄に代わりその美術鑑定士と会うことになるのだが、その美術鑑定士は黒瑪瑙のように美しい男性だったのだ。一つの話として素直に纏り、それでいて美術鑑定士という設定を設定だけで終わらせない。手頃でいてしっかりと読み応えもある。そんな話である。さて、話は変わるのだが、黒瑪瑙、またはブラックオニキスと呼ばれる物は、パワーストーンの一つ。自己防衛の石とも呼ばれ、効果としては魔除け、また、自分と合わない人を退けるというものもあると言われている。なるほど、遠い外の国から来た黒瑪瑙はただ美しいだけの石ではないらしい。
19世紀末のイギリスを舞台とした貴族の青年アルバートと日本の美術品鑑定士ハジメとの恋物語。 ハジメは、タイトルから想像できるとおり、黒瑪瑙の瞳を持つ男装の麗人。 アルバートとハジメの恋が緩やかに、そして危なげに始まる。 そして、ハジメに迫る男色家ドダリー子爵の魔の手。 アルバートはハジメを守り抜けるのか? ハジメは何故、男の格好をしているのか? 答えは、見てのお帰りだよ!