神様の遊戯盤の上で

「まさに魔法少女育成計画！」とわたしは叫んだ。この作品、高度な文章構成といい物語の展開といい、作者赤葉先生は見事にまほいくの世界観をオマージュされているといえよう。だが「神遊」という作品の素晴らしい点は、まほいくの次元にとどまらず、これを独自の路線へと昇華させているところなのだ！あらゆる小説にいえることだが、登場人物が多ければ多いほどキャラ立ちは困難になり、ストーリーは冗長となる。しかし「神遊」はこのジレンマを克服し、少女たちの織り成すドラマと戦闘を鮮やかに描き出している。特殊能力「ギフト」の魅力、物語内部の設定の効果で軽快にすすむアクションと、なにより綿密に張り巡らされた伏線があとからガツンと効いてくる。読者の皆様においては、まさに「神々の遊戯盤の上で」というこの作品の見えざる神の手によって弄ばれる快感を満喫できることだろう。それもまた一興と、是非一読されることをお勧めします！

この作品の魅力。一番は伏線だ。各章毎に大きな伏線を張って、最後に回収。概して、初めのあたりの話になんでもない顔でしれっと書いてあることが多く、章を読み終わってから戻ってくると、驚くことだろう。 また、それぞれが持つ能力というのも、なかなか面白い要素の一つだ。できることとできないことが厳密に決まっていて、それをいかに使うかで、話が動いていく。 そして、忘れてはいけない人間ドラマ。多くの少女は、パートナーとともに、生き残ろうと足掻く。だが、戦いの中で、そして、神の悪意のために、生と死へと引き裂かれてしまう。殺し合いという極限状態の中で、最後の命を燃やすように咲く火花は、儚く尊い。 間も無く、神との最終決戦が始まる。神殺しに挑む生き残りの反逆者たちの姿を目に焼き付けよう。追伸関係ないですが、シャーリーとサラのカップリングが好きです。 最終決戦で死んだりしませんよね？

ここまで文章力が高くて、面白くて、展開が読めなくて、キャラが魅力的で、そして感動できる作品はそうそうないと自分は考える。神の暇つぶしという理由で転移させられた十人の女子たち。そして神は言った。「皆さんには、楽しい楽しい殺し合いをしてもらいます」なんとこの十人には生まれつき『ギフト』という神から与えられた能力が備わっていたのだ。まるでゾンビパニック作品のように人の心情が見え隠れし、今あるものでどう工夫して戦っていくかという面白さもある。まずは一話読んでみたらどうだろうか？