評価:★★★★☆ 4.3
「で、俺は何番目だって?」いきなり怪しい部屋に召喚された蒼一は、ヒゲのジジイに問う。
使えるのは先代勇者たちが取り残した出涸らしスキルだけ。火炎、雷、鑑定、回復、まともな魔法は全て売り切れ。足りない分は、ノリとツッコミで渡り切る。
同じ不運に見舞われた即席女神と共に、マイペース勇者は今日も異世界をさすらうのだった。※ 「十八番煎じの勇者放浪譚 死にスキル野郎の生き様を見よ」を改題したものです。
※ ラストなど、少し全体に手を入れました。
話数:全85話
ジャンル:アドベンチャー
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
小難しい設定やハードな展開、チートやハーレムのテンプレ異世界物語に疲れてしまった人に、肩の力をぬいて箸休めのつもりで読んで欲しい作品。レベルシステムの無い異世界で、ピンチになりながらも余り物スキルを愉快に使って立ち回る勇者と、打撃と食欲でサポートする女神、そして彼等を支える愉快な仲間達がギャグテイストに世直し旅をしながら謎に迫っていく物語。戦闘はあるものの殺伐としておらずテンポが良い。主人公の二人は口は悪いものの、自然と人助けをしてしまうお人好しで、周りの協力者も天然な人が多く作品全体がゆるっとしていて、クスッと笑いながらあっという間に読めてしまう印象だ。難しい事は考えず、なんじゃそらとツッコミながら読んで欲しい。
召喚されたら記憶喪失。 取敢えずぼく達地球人。 翁、宇宙の小さな星に。 三行目たぶん意味など無い。 目的が記された書を見る。『帰れ』 最初から呼ぶな。 はた迷惑なことにこの世界はポンポンと勇者召喚を行っていた。勇者に力を授ける女神もセットなので迷惑極まりない。 あんなことできたらいいな。習得可能スキルは先代どもがごっそり持って行った。 光る。回る。音が出る。どう戦えというのだ雪の女神。「名前が雪です」使えない。 出がらし勇者は18代目。 創意工夫は十八番。 怪しい賢者を追い詰め、各地で美味い物を頬張り、ちょっとやってみますか人助け。18番目にイイ剣の鞘でぶん殴り、喋る盾で切り開くおかしな未来。 ひょっとしたら十九代勇者は君かもしれない。 その時は彼以上の困難が待ち受けるはずなので参考に読んでほしい。涙も笑って感動千両役者。 これぞ勇者様の一八番。
何度か声を出して笑うハメになり、電車で酷い目に会いました。テンプレ勇者物かと思いきや、ホラーチックな展開有り、バトルアクション有りと、サービス精神旺盛な作品です。しかも、どこもコメディとして秀逸で笑わせに来ます。関西系のノリを感じるので、作者さんもそうなのかな。私は同じ作者によるシリアスな前作のファンだった者ですが、最初はライトなコメディに戸惑いました。淡泊な文章は同じ雰囲気を感じますが、特に深い展開は無いのかなと……ところが、何やら不穏な要素も散りばめられていて、先に期待させられます。「微妙な違和感」というタグに気づき、ああ、これは何かあるなと、楽しみになりました。完結まで評価は取っておくつもりでしたが、35話にやられたんです。主要キャラの一人、メイリは出番が少ないものの、なかなか可愛いです。