評価:★★★★★ 4.5
お江戸を守る、上方から単身赴任中の同心――その名も鈴木破近(ぱこん)。そう、彼は蘭国人とのハーフだった。そして、その特徴は――二つの海の如き青き目ならびに、ネイティヴもビックリの流暢な関西弁、この二つである。さてさて、今日も難事件に立ち向かう彼だったが――※各々一編がジャスト二百文字に納まった【ジャスト200文字の連作】、ならびにミステリ風味の代物です。
話数:全1037話
ジャンル:ミステリー
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:ハッピーエンド
注意:全年齢対象
巷にあふれるミステリは、非常に綿密な取材により構成された凝ったストーリーや、残虐な描写だけを売りにしたようなものが多い。そんな中にあって、この作品は、眉間に皺を寄せて読むようなヘビーなものとは一線を画した、ザッツ・エンターテイメント。風情ある江戸の町を荒唐無稽なキャラたちが闊歩し、テンポの良いやりとりで読者をなごませる。どの話もどこか爽やかな着地で、読後感も良い。物語を貫く、主役の「破近~ぱこん~」の、飄々としつつも実はキレもので、軽くて毒舌でありながらどこまでも皆に慕われている……という素敵キャラが、ストーリーの緩急をうまく操り、飽きさせない。冒頭のお約束のシーン~冷奴→喜助~や、キャラの名前、そして、有名ミステリをもじった各話のタイトル等にも、作者のサービス精神が惜しみなく発揮されている。これが200文字ジャストであることを忘れて読み進めてしまう。