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増田清隆は、某市役所税務課に勤める新人職員だ。窓口対応の多い仕事なのに接客が苦手で、お客さまの前では頭が真っ白になり、焦ってどもってばかりだった。そんな清隆につけられたあだ名は「無類のテンパリスト」。説明も下手くそで、自分の言っていることがお客さまに伝わらないと、清隆は日々痛感していた。
そんな清隆が挑む、確定申告受付業務。2月の半ばから始まる申告期間中、税務課職員はお客さまの申告書を一人ひとり作成していかなければならい。事前勉強のおかげでなんとか申告書の作成はできるようになったが、お客さまへの説明はからっきしだった。窓口同様、申告会場でも清隆の言っていることは伝わらない。そもそも決まりきった答えのない接客に、清隆は違和感すら覚えていた。どうしたらいいのか、どうやれば上手くいくのかと試行錯誤を重ねるうちに、清隆はとうとう『正しい申告』とは何かという最大の難問にぶつかる。果たして清隆は、この問いの答えを見つけることができるのか。そして清隆の初めての申告の行方は――。
立ち止まったり悩んだり落ち込んだりするけれど、清隆は前に進むことをやめない。
話数:全72話
ジャンル:仕事もの
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
注意:全年齢対象
確定申告の受付ものというコアなジャンルです。中学生にはさっぱり、高校生にもさっぱり、大学生がうっすらわかって、面白さがわかるのは社会人からというところでしょうか。窓口で悪戦苦闘する主人公も、申告に来たお客さんもどこかにいそう。なによりこういうやり取りは社会人ならお役所でしたことあるよなあと思ってもらえるのでは?少年少女のライトノベルに飽きた方にお勧めです。作者さんの活動報告で書かれていますが一部法改正などで現在の手続きと違う部分があるようです。フィクションということでどうか一つよろしくお願いいたします。