評価:★★★★☆ 4.1
『奴らはなぜ存在するのか。僕たちはなぜ戦うのか。人類のルーツを紐解くカギがここにある』
<あらすじ>
西暦2099年、地球温暖化による海水面の急激な上昇で人類の生存圏は内陸部へ大きく後退していた。時を同じくして人類は海から出現した未知の生命体『カイラギ』のウイルス攻撃を受けるようになった。
この物語は対『カイラギ』用に開発された人型生体兵器『バイオメタルドール』のパイロットとして、生死と隣り合わせに生きる中学生達の苦悩と成長、恋愛と友情を描いた青春ドラマでです。
一方『カイラギ』とは何なのか、何のために人類を襲うのか。『バイオメタルドール』はなぜロボットでなく人間の遺伝子情報から作られた生体兵器なのか。パイロットはなぜ中学生でなければいけないのか。軍がひた隠しにする秘密を暴くべく立ち上がる大人達の使命を描いた謎解きでもあります。
二つの物語は並行し、時には交わりながら進み、やがて人類の存在理由そのものへと進展する。登場する兵器、メカ、生物的要素などは科学に興味を持てるように巷の科学検証本などで破綻しない程度に配慮して創作したつもりですが、保証するものではありません。SFジャンルの創作物としてご理解ください。
話数:全113話
ジャンル:エピック・ファンタジー
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
戦闘ももの小説なんてどんなんだろう。派手な戦闘シーンはビジュアルで見てこそ楽しめるものと思って避けてました。でも、小説には文章だから楽しめることもあること教えてもらった作品です。アニメやマンガでは戦闘中に主人公が自分の心のなかを語るなんてなかなかないですよね。主人公が何を考えて戦っているのか、考えさせられる作品です。途中、遺伝子など難解な設定もありましたが、深く考えずに読み進められます。(失礼な話しですが)ラストは泣けました。長いですが、お勧めです。
「奴らはなぜ存在するのか。『私』たちはなぜ戦うのか。人類のルーツを紐解くカギがここにある」あらすじの一文目であるこの文章に惹かれ、私はこの作品を読み始めました。SFな世界観や設定と、学生ならではの若々しさ。それらが上手く組み合わさり、魅力が『1+1=3』以上へと増大しています。若いっていいなぁと思わせてくれます。ぜひ読んでみて下さい。