小説家になろう殺人事件 完結日:2017年12月28日 作者:菱川あいず 評価:★★★★☆ 4 日本最大の小説投稿サイト「小説家になろう」にアップされた小説の通りに人が殺されていく。 犯人の狙いは,一体何か。 筆者が手をガクガク震わせながら書いた自称問題作の短編ミステリー。 話数:全6話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 小説家になろう 殺人 短編 注意:全年齢対象 なろうで小説を読む
既存の物語の進行どおりに、事件が発生し連鎖することは、ミステリー作品ではすでに常套手段とも言えるだろう。 この作品も多分にもれずではあるが、しかしその舞台は、わたしたちのホームグラウンド・『小説家になろう』なのだ。 この巨大な投稿サイトにアップされた作品を模し、残酷な殺人事件が連続する。その作品中では、異世界からの転移者が、この国の巨悪の根源たちに粛清を加えていく。 うん、実におもしろい⁉︎ ミステリーとして賛否両論? 何を言うか? この作品は、最後まで読了して、ミステリーと呼べるのだ。いいかい? 最後まで読了してこそだ‼︎ トリプルミーニング? わたしには、もうひとつ累られている気がするが? 探してみるがいい……。
面白かったです。みんな大好き愛する小説家になろうに投稿した小説通り殺人事件が起こるという始まりですが、まぁ最後まで読むとすっかり騙されたと気がつきます。メッセージ性が強い作品かと思います。ミステリの壁にもっともっと挑戦しようとか、恥を捨てて思った通りまずは書けだとか。読了後にはそんなこと言われているような感じがしました。少なくとも僕は。ミステリ小説としては賛否両論、評価が分かれるかと思います。でも、このサイトだからこそ書けた渾身のミステリ小説だったのかな。誰でも無料で投稿できる小説投稿サイトだから。そう考えると、それを利用して思考を凝らしたミステリ小説じゃないかなと。やはり『面白い』と思います。短い文章ですから是非読んでみて、素直な感想を書いてみてください。信じられないほど長文で返事をくれますよ。何がいいって、人がいいんだもんこの作者さん。
まずそのタイトルに目を惹かれる。 刺激的で衝撃的なタイトルではあるけれど。 ただ、これだけなら「いつか誰かが思いついたであろう」タイトルに過ぎない。 そう、これだけならば。 粗筋もそうだ。「投稿された作品の通りに人が殺される」これだけなら古き良き時代の(例えば孫にその名を勝手に賭けられるモジャモジャ頭の名探偵が取り組むような)事件、所謂「見立て殺人」に類するものである。 そう、これだけならば。 この作品の着想の特異性はその舞台設定にある。膨大な作品群。投稿されるジャンルの偏り。夥しい数の「作者」はそのまま「読者」にもなる。こんな舞台は中々無い。『小説家になろう』というサイトの特異性が作品の特異性に通じている。 そして作者兼読者も驚き納得する、このタイトルの本当の意味は読了しなければわからないと確信している。 奇想のミステリ、その埒外の終着点を見届けて頂きたい。
「小説家になろう殺人事件」……まずタイトルから興味が湧きますね。私たちが利用しているこの素敵なサイトで殺人事件?少し気になった私も、読んでみようとするわけです。1話目に出てくる名前が「世直し転移者」。まず、その名前の主の書いた殺人事件小説から始まります。その時点で「これって世直し転移者が書いた短編集なの?」と思った貴方は私と同じ思考回路ですね。ですが、そこで読むのをやめないでください。続けて2話まで読むべきです。2話目では、1話で出てきた被害者と類似した名前の人間が殺されています。「……ふぁ?」素直な貴方は首を傾げることでしょう。そして貴方は続きを読みたくて堪らなくなる。でも大丈夫、これは完結していますし、すぐに読み終わります。なろうを利用する身として、これは読まずにいられまい?夢中になる殺人系ミステリーを、貴方へ。
レビュータイトルに問題作と書きましたが、私は良い意味で書きました。この作品は他に見ない、小説家になろう。このサイト自体を舞台として取り込んでいる斬新な作品です。犯人は異世界能力者!?どのような方法を使ったのか、ドキドキしながら読むことができます。それに加えて、この作品の作者様である菱川先生の文章力の凄さにも目を惹かれます。一つ一つ読みやすく、また、その文章の中にも深い意味が隠されたりしています。ぜひ、少しでも興味が出た方はご一読ください!菱川先生の世界に浸かることができます!
小説家になろうに真っ向から対決姿勢で挑む作品。とまあ書くと、驚くかもしれません。推理に異世界転生を持ち込む。……現実的な殺人事件で、チートな魔法を持ち込むなんて予想外過ぎて、あり得ない。ワープを使えば、どんな密室でも作り放題。挙げ句は、凶器だって手をかざせば顕現してしまう。証拠隠滅も呪文ひとつで解決する。なんて、そんな訳はありませんね。推理小説として成り立ちません。理由は読めばわかります。作者は自称推理作家を名乗る謎の巫女マニア。何が凄いのか、それは変態度ではありません。文章、作品の完成度である。過去に推理部門で上位を占拠し続けた実力の持ち主。その作品は読み手を惹き付けるなにかがあります。文章、文字一文字に作者の狙いが隠されています。サクッと読み進めてしまう文章が、巧妙な作者の罠になります。騙されないぞ。文章力に自信があるぞ……そんな作家諸君、この挑戦に立ち向かいませんか?