評価:★★★☆☆ 3.3
神にも匹敵する力を操る征乱者と、それを治める力を持つ調律者。
招集された征乱者たちと、それらの犯罪履歴を洗うための定期審問。
定期審問を執り行うために訪れたのは調律者たち。
そして、全てを掻き乱すは巷で流行りの連続殺人鬼、ひねくれジャック。
調律者である天夜とギリウスは、辺境の地“崩月”の九道邸にて、連続殺人鬼ひねくれジャックの正体を探る。――これは、相反する能力を持った者たちが絡み合い、織り成す群像。
その先に邂逅するのは、神か、悪魔か、それとも――。
話数:全51話
ジャンル:異能バトル
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
『小説家になろう』に多く存在する異世界ファンタジーの中、孤独に存在するようなこの作品。凄烈な文章、秀逸なその物語性。そして何より『犯人探し』のような読んでいて緊迫感すら感じてしまうほどのミステリアスな展開。キャラ一人一人が脈打ち、誰も欠けてはならない存在となっている。読む進めてしまうとハマってしまう罪深さ。騙されてざざぁ、と読み進めて欲しい。ハマらないわけがないのだから。正に神に託されたような、そんな作品。
征乱者と調律者という二つの相交わらない関係が存在する中で、殺人鬼が割り込むことによる三角関係の構図が出来上がることで深まる因縁と謎、そしてそれぞれの思惑――。読めば読むほど、引き込まれるその世界観。しかし、その中で登場人物が個々の鍵を握っている。それもちょっとやそっとではない。無視はできない物語の鍵となるものだ。浅く読もうと、深く読もうと、どちらでも楽しめる作品。それがこのニセガミだろう。是非この機会に、読んでみてはいかがでしょうか?