評価:★★★★★ 4.5

 西暦3500年。
 一度文明が滅んでしまったことのあるこの世界には、かつて栄えていた文明のことを知っている人間は誰もいなかった。
 知るための手段はさまざまあるのだが、そのうちの一つに、超能力と呼ぶべきようなものが使われることが多いのが、この時代である。
「これは……桃よね。それに、おじいさん、おばあさん、少年、3つのだんご、3匹の動物、悪い鬼がたくさん」
 リーディング。14歳の麻里奈は、その能力の持ち主なのだ。
 そして、透視したその遺物とは、「きっとかつては童話かなにかのようなものだったに違いない」と見当をつけていたのだった。
 しかし、分かったことといえばそれだけであり、それ以上のことはさっぱり分からなかった。
 分からなかったからこそ、これから、「この職場の問題児たち」によって、めちゃくちゃな童話が「再生」されてしまうのは分かりきったことである。
 だからこそ、麻里奈は救いが欲しかった。
 救い。
 普通の人間。
 それが現れた。
 普通の価値観を持ち、ありふれた道徳観を持ち、それでいてほどよい勇気を身につけた一人の少女。
 大月さくら13歳。
「さくらちゃん。がんばって。あなたなら、きっと良い方向へと導いてくれるはず。……童話も、職場も、それから、……わたしたちのことも」


話数:全7話
ジャンル:

登場人物
主人公属性
  • 未登録
職業・種族
  • 未登録

時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録

その他要素
注意:全年齢対象