評価:★★★★☆ 4.2
速見誠一郎29歳、独身。恋人なし。食べ歩きと、一日一冊の読書。一人の時間をこよなく愛する誠一郎は、一人きりの食卓に並ぶ料理を日々笑顔で見つめていた。
そんな誠一郎はある日突然、偶然にも魔界の悪魔を召喚してしまう。リリスと名乗る悪魔娘に、願いを一つ叶えてやると言われた誠一郎。……後になって振り返る。自分は何故、あんな願いを言ったのだろうと。
この話は、アラサー男が悪魔娘と飯を食う。たったそれだけのお話です。
話数:全46話
ジャンル:料理モノ
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
注意:全年齢対象
振り返れば声が聞こえてくる。内容らしい内容もない馬鹿な話を友人や恋人、ましてや両親や兄弟姉妹としたのはいつのことか。 人は大人になり、かつて一つだった一番好きなものがたくさんできて選んだり捨てたり道を違えたり。 昔は若者だった。今でも妙なこだわりが抜けない独身男性。 何の気なくつぶやけばほらあの娘がこんにちは。 今日は何を食べようか。ここはあえてチープなファーストフードが良い。いやいや肉は譲らない。焼き肉だ。カツ丼だ。 地元料理で亀の手なんて知っているか。知らないよ。 そのどうでも良い会話は、とても暖かくて優しい。 安いなら安いなり、貧相なら貧相なりの美味しさがある。 隣ににぎやかな連れがいれば尚好。 今夜、素敵な食卓。悪魔の少女とどうですか。 魂こもった娯楽と言う素敵なスパイスを添えて作者さんがお届けします。
普通のアラサー男である主人公と、主人公が気まぐれに召喚した悪魔娘による“二人飯”の物語。描かれている光景は、ごく普通のありふれた日常の食事風景。しかし、“異世界より召喚された悪魔娘”の存在、そして主人公と悪魔娘の一見するとアンバランスな、しかし非常にバランスのとれた関係が、読者を二人の世界へと引き込んでいきます。一人で食事をするより、誰かと二人で食事をしたくなる作品です。
この作品はなろう系で流行りそうな一緒にご飯食べてーなぁ系ですなぁ。このありそうでなかった雰囲気がよいですなぁ。ただ、悪魔娘ちゃんとご飯を食べることを読者心理を惹きつける作品まで昇華する技術はグッドジョブ!ストーリーもほっこりする部分とおおっと納得する部分がはっきりしているので共感しやすいですなぁ。皆様、五月の夜長にゆったりと読まれてみてはいかがでしょうか。
簡潔に言えば、ヒロインと美味しくご飯を食べる作品。そう説明出来る訳ですが、先ず主人公が物凄く感情移入しやすい人だと思います。所謂食通の人達のような発想はなく、私達のようにその時の気分に悩み、変に考える事もなく感じるままに食事を楽しむ。そして、取り扱っている題材もコンビニで食材を買ったりなど、具体的に想像し易い物の割合が高いように思います。しかも、変なこだわりを持っていたり、でもその割に美味しい『と思う』のように気分の方を大事にしていたり。私も同じ! って方もいればこんな人居るよねって思う方もいらっしゃるでしょう。日常の食事風景の一コマだからこそ、凄く親しみをもって楽しみながら読める作品だと思います。そこに所謂逆トリップ系のヒロインが加わり、そのやり取り含め更に作品を面白くしています。是非気軽に、そしてあるあるorねーよ等をしつつ楽しんで読んで頂きたい作品です。
タイトル通り、アラサー男と悪魔娘が一緒にご飯を食べる作品です。ヒロインが逆トリップする形式で、物語の舞台は現代。専門的な表現はほとんど無いようです。むしろマイペースな主人公と相まって庶民的な雰囲気になっており、親しみやすいと作品だと思います。文章力も安定しているので読みやすい。ご飯前に読むと空腹が加速する気がします。