神様はそこにいる

空からが女の子が降って来ねーかな。彼女を追う悪の組織から守りたいわ。 男の子ならきっと考えたことがある妄想。主人公も中学生の頃神社で空から美少女が降ってくるようお願いしたが、起こるはずもない。だが高校生の時、空からではないが、目の前に突然倒れた美少女現れ、更に後ろに黒服の男が…神力という力を狙う悪の暗躍を美少女と阻止する流れは王道故に面白い。神力、魔術といったオカルト要素はなんでもありではなく、丁寧に作り込まれているため、謎解き要素としてこの小説を盛り上げている。だからサスペンス小説として読むだけでもオススメだ。だが、この小説の真価はミステリーとしてこそある。丁寧に散らされた伏線が一気に回収された時、主人公の奮闘の裏側にある一つの真実を知ることになる。上記のあらすじだけで二つ伏線があるのだから、いかにこの小説が練りこまれているか伝わるだろう。是非あなたの目で確認して欲しい。

主人公の前に突然謎の少女が現れるという王道な始まりのこの物語。しかし、これはそのようなありきたりなものではありません。まず、世界観がとてもしっかり作り込まれています！舞台は、裏社会で魔術がまるで科学のような感覚で研究されている世界。すごく面白い設定だし、世界観にブレがないので読みやすい。また、キャラクターが魅力的です！どの登場人物も自然体。登場人物どうしのやり取りも面白くて、思わず笑ってしまいます。最後はやっぱり謎と伏線！物語中に散りばめられている謎と伏線はどれも質が高く、それらが少しずつ解けていくのは本当に爽快です。謎解きってこんなに楽しくて、ワクワクするものだったのかと、驚かされました。全ての謎が解けたとき、本当にゾクッときます。今までで一番、楽しめたミステリー小説です。私の文章力じゃ言い表せないくらいの良作！謎を解く快感を味わいたい人は、ぜひ読んでほしい！