評価:★★★★★ 4.5
吸血鬼の存在が認知された現代日本。大学を卒業した私、蓮村 絹は、就職予定の大手企業から突如内定を切られ、途方に暮れていた。生活費と奨学金返済のため、やむを得ずアルバイトをすることになった先は、吸血鬼の捕獲・駆除専門のNPO法人。お姫様体質の代表理事に、一見穏やかなイケメン上司、口は悪いが常に眠そうな同僚、そしてもう一人……個性の強いスタッフに揉まれつつ、私は今日も吸血鬼=『特種害獣』を追いかける。
(表紙絵作画・逢沢師央様)
※エブリスタと重複掲載です。
話数:全73話
ジャンル:仕事もの
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
終わらせる為に書かれた作品という物の完成度はどの作品も極めて高い傾向にあります。本作もそれに外れない良作となります。 タイトルで異世界物と思われた方は一度ページを開いて読んでい頂くと宜しいと思います。れっきとした日本の現代ファンタジーとなっています。タイトルの意味を知った時に、成程ですねぇとしばらく感動致しました。コミックのように完成されたキャラクター造形が見事といえます。何処まで計算された作品なのか、キャラクター一人ひとりの人生を追想し、この世界の中ではある種の諦めと納得が必要であると割り切る部分にリアルを感じます。最後まで読んだ時、誰かに話したくなるか、それともしばらくその感動を楽しむか? どちらでしょうか^^
舞台は”害獣”吸血鬼がいる現代日本。突如内定切りに会い就職浪人を余儀なくされた主人公”絹”は吸血鬼を駆除するNPO法人でバイトをはじめた。遠方に住む”家族”に内定切りのことを隠しながらバイト先で気を張る日々。就職を決めた同期と会えば取り残されたような心細さを抱き、バイト先の人たちはやたらしっかりして見える。のっぴきならない(これがまたなかなかに命がけなのですが)”仕事”そして自らと向き合う中で、そんな絹の目にも周囲がどんどん飛び込んでくる。私だけじゃない。誰もがきっと同じように感じてきたんだ、と。皆それぞれ苦しみ、後悔を抱え、それでも超えながら大人になっていく。大人をやっていくのだ。受け入れがたいもの、そして自分自身とどう折り合って生きていくか。絹を通して見た世界は、きっとあなたの背筋を伸ばしてくれるはず。
ここではないどこか。私たちの暮らす日本とはわずかばかり常識の異なる世界では、吸血鬼が闊歩している。甘く極上の美酒のような血の香りに誘われ、堕ちた吸血鬼たち。彼らが人間の命を戯れに手折りに来るのだ。そんな「特殊害獣」と呼ばれる彼らを狩るのが、本作の主人公たち。軸となる主人公は、一見するとごくごく普通の女の子。とはいえ彼女も、そして他のハンターたちもみな訳ありの過去を持っていて……。話が進むごとに少しずつ明かされる彼らの繋がりは、やがて深い絆へと変わって行く。一度ページをめくり出せば、きっとあなたは夢中で読み進めるはず。文章でありながら美しい超大作映画を見るような感覚で、目の前に広がる世界に圧倒されることになるだろう。どこか官能的で、匂い立つような戦闘シーンは特にお勧めだ。吸血鬼ものなんてありがちと言うことなかれ。決して損はさせない。この作品は最高の読後感を約束してくれる。
吸血鬼が『特種害獣』として、普通に存在する架空の現代日本が舞台です。その吸血鬼を狩る人々のお話。自然に情景やキャラクターの心情が脳裏に浮かぶ巧みな文章で、読者を惹きつけます。話の筋もとても面白く、終りにいくにしたがって、もうページを繰る手を止められなくなると思います。もうすぐ完結ですが、その前に皆さんにご紹介したいと思いました。強気な女性代表理事、腕利きのハンター、その弟子のハンター、そしてミミズク(?)とバイトで入った主人公の女性、絹(きぬ)。みんながみんな色々な人生を歩み、様々な過去を抱えて今、ここで仕事をしています。人の人生、生き方、考え方、色々な要素を含んだ作品です。蛇足ですが、私はこの作品の印象が、『冴えた月』のようだと思いました。冷たくて、澄んでいて、鋭くて、鮮やかで、人の想いが美しい(美しいだけではないところもいいです)。そんな作品だと思います。
所謂吸血鬼とそれを狩るハンターの話だが、世界観の構築は独特。美しく読みやすい文章と相まって、真に迫るリアリティがある。中でも特筆すべきは、キャラクターの個性と巧みな心理描写だろう。一人ひとりが普通の、でも普通ではない傷を持つ存在で、主人公を筆頭に、みんな泣いて笑って逞しく生きている。人生に脇役などいない、そう実感させてくれる力強い作品。彼等の生き様と成長の証を是非、その目でご覧頂きたい。あとエリーはヒロイン。モフモフは正義。いいね?
現代日本を舞台に繰り広げられる吸血鬼との死闘……なんて書くとファンタジーのようですが、この物語には地に足がついた徹底的なリアリティーを感じます。 よく考え込まれた世界設定と、巧みな文章力で、現実の日本でこんな事態になっていたかもしれない……という錯覚を起こす程。 吸血鬼退治を行うのがNPO法人で、主人公が就職浪人という設定もまた、とてもリアルですね 登場人物達も個性豊かで魅力的で、一人一人に深いバックグラウンドを感じさせてくれます。 マスコット? のフクロウ、エリーもシリアスな物語にくすりと笑えるユーモアを加えてくれます。 吸血鬼物が好きな方も、そうでない方も、楽しめる素敵な作品です。 どうぞ一度ご一読を。
普通に書籍として市販されている、文庫本を読んでいる錯覚を起こしました。文章がとても美しく、同じ物書きとして正直に嫉妬するレベルです。笑まずは皆様、ご一読を!大まかなストーリーはというと。主人公は就職浪人になってしまった女の子。当面の生活費を稼ぐために入った会社は、日本で唯一の吸血鬼に対する……これ以上はネタバレですね。笑登場キャラクターの書き分けもお見事。少しだけお嬢様な女社長に、イケメンインテリ、普段はあれだけど真面目な男の子に、極め付けはSCマスコット(?)のフクロウことエリー。それぞれが色々抱えている様子は見ててわくわくします!いやもう、ご馳走様です!とまあ、とにもかくにも。ストーリー、キャラクター、非の打ち所がありません。読まない理由もありません!大事なことなので二回言います。笑まずは皆様、ご一読を!
まず初めに、冗談抜きに面白いと思います。最初のころはちょっと癖のある文章かなとも思ったのですが読み進めていくうちにその登場キャラクターの生き生きとした動き、感情に引き込まれていきます。しっかりとした描写力、そして表現力のある作家さんの作品だと思います。あらすじとしては就職浪人となった主人公がバイトとして吸血鬼を捕獲するNPOに就職して・・・といった内容。主人公のキャラクターだけでなく登場人物すべてが個性的でいい味を出しています。数話だけでなくしばらく読んでいくと魅力にひきこまれるのではと思います。ぜひ読んでみてください。あっ、レビュータイトルに深い意味は・・・。