評価:★★★★☆ 4.3
ぼくは鈴太(りんた)。大学受験に失敗した直後、突然弁護士さんが現れ、おじいさんが亡くなったので葬儀に出てほしいと言った。連れて行かれた山奥の村がすっかり気に入ったぼくは、おじいさんの乾物屋を継ぐ決心をして移住する。そんなぼくの前に次々に妖怪が現れる!
話数:全90話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
完結日:2018年2月8日
作者:支援BIS
私自身は、本作品の作者を「小説家になろう」においても、有数の文章構成力の持ち主だと評価させていただいておりますある日、成り行きでど田舎の村にやって来た主人公そこに住まう素朴な人々と、巻き起こる不思議な事件の数々そして、少しずつ明らかになっていく謎展開こそファンタジーの王道なれど、決して飽きさせない展開や設定には唸らせられますまた、個性的なキャラクター達に囲まれながらも、埋没せず、光を放つ主人公にも大いに好感が持てました「王道」とは、既に枠にがあり、そこからずれることなく在る作品であると、私は考えていますしかし、本作品は、それを踏襲しつつも、決してそこに収まらない魅力ある作品です同じく妖怪小説を書いている私としては、この作品がくれた余韻には(失礼ながら)嫉妬すら覚えてしまいましたそして、この小説に巡り会えた幸運に、感謝します感動を有り難うございます!
筆者の支援BISさんは、なろうの中でもトップクラスの文章力を持っていると確信出来る作品。文庫化している辺境の老騎士に比べ、よりライトに読めると思う。登場する妖怪の描き方や、解釈がとても面白い。下調べとプロット、キャラクター設定がしっかりしているので、文章に薄っぺらさが無く、文字の向こうに深みが見える。千二百年の悲願という大きな風呂敷だが、散らかさずに丁寧に荷物を置いていき、ちゃんと包んできちんと終わらせているので、満足感が高い作品になっていると思う。やたらと誇張せず、さらっと表現する部分にも非常に好感が持てる。面白いと思ったなら、支援BISさんの他の作品も読む事をオススメしたい。
この作品は和のテイストのファンタジーが好きな人はきっと好きになる正統派な作品です。特に妖怪が好きな人はどストライクだと思います。妖怪の伝承や主人公の血筋に村の成り立ちと言った細かな背景、個性的な村の人たちや主人公と一緒に戦う仲間。それに主人公のあり方が好感を持てます。主人公には血筋や才能もあります。けれどそれらは主人公の強さにはなりません。主人公は悩み、葛藤を重ねて成長をします。良質なファンタジー小説を求める人に是非読んで欲しい作品です。
しばらく読み進めて、「わたしの読みたかった和風ファンタジーはこういうのだよ!」と小躍りし、最後まで読んで大変満足した。村の由来、味方の能力・性格、敵となる妖怪のチョイスが実に正統派。アレンジも納得できるもので、まさに、地に足がついているとはこのこと。加えて、清々しい主人公である。好青年だ。主人公の持つ力は、確かに、血筋によるものなのだろう。しかし、読めば読むほど我々は、彼が血筋だけで都合よく能力を得られたわけではないのだと気付かされる。苦境にあっても妬み嫉みにとらわれることなく、自然に感謝の気持ちを抱くことができる人物だったからこそ、伝来の力が最高のパフォーマンスで発揮されたのだ。つい愚痴のこぼれそうになる日々ではあるが、今日ばかりは鈴太の生き方を見習って、言祝がせてもらおう。この小説を見つけた人すべてに、幸あれ、と。
魅力的な登場人物に、葛藤し成長していく主人公、そして先を読まざるを得ない設定。 それらを含んだこの作品は1度読めば止まらなくなるような魅力を持っている名作で、この頃流行っている妖怪もの、または濃厚なファンタジーを好む方は絶対に読むべき作品です。 またヒロインもとっても魅力的で可愛らしく、特に長壁姫と主人公との掛け合いに笑いを漏らしてしまうこと間違いなしです!長壁姫家に来ないかな……←
とにかく面白いです!主人公も感情移入しやすく、魅力的な登場人物(?)もよりこの世界に入り込めます。今まで普通の社会に生きて来た青年がある時を境に大きく環境が変わりその中で成長していく、王道ですね!ですが、作り込まれた背景があり読めば読むほど、どんどんこの話の中に引き込まれていきます。これぞ本物のファンタジーです!