評価:★★★★☆ 4.2
気が付くと、世界地図にも歴史の教科書にも載っていない世界に辿り着いていた少年、藤森修哉。
血まみれのまま倒れる彼は、何故自分は今ここにいるのか記憶が欠如しており、本当の敵は誰なのかが全くわからないまま、新しい世界で再び闘いに巻き込まれて行く。
政府系非合法組織のヒットマンとして育てられた超能力者の少年と、異世界で出会った訳あり幼女の、決死の逃避行と絶望的な闘いを描く。
話数:全61話
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
読んで気づく事があるとするならば、それは、異世界もリアルも美しい部分と闇に包まれた部分があると言う事だろう。転生と言うと明るくて希望に溢れた世界を想像するだろうが、そんな世界に転生しなかった話であり、物語は現代も続く悪徳な世界に切り込むような作品になっているんです!ですが全てがダークではないのも読んでて楽しい部分なんです。五感をフルに使いながら物語を整理する感覚は自分が世界を目の当たりにしているようにすら感じました。内容もぎっしりであり読みごたえは抜群の一作をご紹介です。(^^)
主人公が飛ばされたのは、圧政が引かれた共産主義国家。親愛なる女性を無残にも惨殺された事を知った主人公は復讐の炎に飲まれていく。孤立無援から始まる苦闘から、徐々に賛同者か集まり、それに伴い主人公の心境にも如何なる変化が訪れるのか。また、戦いの先に行き着く結末も未だ予断を許さない状況です。本格バトルもありますので、 薄暗いダークファンタジーをご所望の方にはオススメしたいです!
異世界へ転移した主人公が戦うべき相手は何だろう? 魔王? 悪のドラゴン? 悪神? 勇者? いや、この作品の敵はそんな生易しい物ではなかった。 それは革命の成れの果て、あまりにリアルな恐怖政治を行う最悪の軍事大国。 搾取、強制収容、虐待、粛清、公開処刑、暴虐の限りを尽くすダークな国家だ。 だが希望はある! 滅ぼされた王国の生き残り、国を民を憂い、立ち上がることを決意した優しき皇女がいた。『みんなが笑顔で暮らせる国を作りたい』 彼女の望みを叶えるため、元暗殺者の主人公が強大な圧政国家に立ち向かう! タフで合理的な主人公、必ず殺す者(フラットライナー)藤森修哉。 主人公と旅するうちに、その非凡な才を花開かせる皇女エマニュエル。 見事に血の通った、敵でさえ魅力的な登場人物達。 敵となった元同僚の暗殺者たちとの、手に汗握る能力バトル。 さあ是非ご一読を!
小説投稿サイトに溢れかえっている異世界モノ。その中でもこの作品は異彩を放っている。主人公が飛ばされる異世界は、ありがちな「中世ヨーロッパ風」の社会ではない。そこは全体主義と憎悪が世界を覆い、信じられないような暴虐が猖獗を極めている恐ろしい世界。だが、さらに恐ろしいことは、作中で表現される悲劇はいまでも現実世界で本当に繰り広げられて来たこの世の真実の姿なのだ。だがこの小説は絶望だけを読者に与える加虐性を持ち合わせてはいない。暴力溢れる世界で、主人公とヒロインの間に築き上げられる絆は、暗中の光明のように尊く美しい。あなたがこの作品を読めば、著者の歴史的知見によって作り上げられた異世界と、そこで生きる登場人物たちのひたむきさに心打たれると思う。間違いありません。おすすめです。ぜひ読んで下さい。
★物語の構造と言うのはそのジャンル毎に基本となる形式がある。知名度のある特撮ヒーローや、数多くある恋愛ドラマなどを見れば判るだろう。当然、異世界転生と呼ばれるジャンルにおいてもそれはある。つまり〝こちら側〟と〝向こう側〟の論理である★多くは唐突に主人公が向こう側に連れてこられその後の騒動を追うと言うスタイルが一般的である。問題はそのこちら側/向こう側に素材として何をはめ込むかである★ところがこの作者【共産主義独裁体制】と【非合法政府系工作員】と言うとんでもない劇物を異世界物の基本構図にぶち込んできたのである!おいおい(汗)★だが劇物は取扱が困難だ。と言うより普通は危なすぎて使えない。しかしソレを作者の膨大な知識と感性がファンタジー的精霊世界に華麗なるタペストリーとして織り込んでしまうのだ。その技量は神がかり的★主人公の現実社会の戦歴と過去が圧政社会を切り開く光になる姿は壮観ですらある!