評価:★★★★☆ 4.2
竜王達に育てられた人間の少年が、人間の世界で平穏に暮らそうとするお話。
波乱のほとんどない日常ものです。
「大草原の小さな家」みたいな(?)感じです。
忙しい日常の中で小旅行に行くような気持ちで読んでいただけると嬉しいです。2016年10月29日完結しました。ありがとうございましたm(_ _)m
※カクヨムさんにも載せてみました。※2018年3月24日に番外編に追加があります。
素晴らしいレビューを頂いたので、その御礼代わりのような感じでw
楽しんでもらえたら幸いです。
話数:全382話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
『古代より存在する天上種族の竜王に育てられた主人公ライカは、人間の世界で生きる決意をする』この作品は派手な冒険活劇でも世界を救う物語でもない。日常を切り取ったお話である。しかしその日常こそが面白い。主人公ライカの目を通してこの世界の人々の営みや文化に触れてほしい。かつての英雄も、貧困街に暮らす子どもたちも、名前のない人たちだって確かにこの作品の中で生きている。物語は完結したが、彼らの営みはこの世界でこれからも続いていくのだろう。これほどまでに創り込まれた物語はなかなかない。最後まで読んだあとは好きなところをじっくり読みかえしたくなるような作品。個人サイトで読んだことあるというネット小説玄人の方も、視点の変わった王都学園編が完結しているので是非。そしてまだ読んだことのない貴方にも、ひと味違う作品がなろうに隠れていると言うことを知ってほしい。
それは、主人公のために整えられた世界ではない。ストーリーのために組み上げられた世界でもない。ここにはただ世界があって、人が暮らし、想いを紡ぎ、時を重ねて生きている。たとえば祭りや、まじないや、しきたりの中に歴史があって、積み重ねた時のその先に『今』があるから。神話に語られる竜も、かつては当たり前だった、ただの命で。主人公の特殊な育ちに、特別な意味なんかなくて。地に根ざした暮らしを送る人々と、『人』とは違う暮らしをしていた主人公が出会って行くーーそういう話。活躍の終わった英雄が、語られない人生を背負った人達が、名前さえ出てこない人々がそこにはちゃんと生きていて、物語が終わった後も変わらず暮らして行くのだろう。あそこまで波乱万丈ではないけれど、守り人シリーズを思い出した。おそらく上橋菜穂子が好きな人なら楽しめるかと。*第三部完結時に書いてみたもの。第四部開始記念に投下。