評価:★★★★☆ 4.2
初彼は明るくて楽しい人だった。
……でも彼は猿になった。二人目の彼氏はムード作りがとても上手で、私は流されるままに交際を深めた。
……彼はやりチンだった。こんな高校生活を過ごした私が、あれは恋だったと気付いて号泣した。
……時間を無駄にしたなんて思ってないですよ? あれはあれで楽しかったし。多分。
爽やかじゃない青春ラブストーリーです。日常作家として定評のある銘尾 友朗さんの「春センチメンタル企画」参加作品です。春センチメンタルという言葉に誘引されて春になると切なくなる高校時代の失恋物語を描こうとしていたはずが、ヒーローが好みのタイプになってしまい彼を幸せにしたいがためにハッピーエンドになりました。幸せに出来て満足です。
投稿のきっかけをくださった銘尾 友朗さんに心から感謝を捧げます。
話数:全8話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
月日が経てば忘れ去られてゆくものばかり。それでも、どんなに歳月が過ぎても色濃く残るものがあるのは、そこに偽りのない想いがあったから。素敵な作品を一人でも多くの人に知ってもらう為、作者はいつも数百文字に想いを乗せている。そんな彼女の描く少年少女達だからこそ、この上ないメッセージが言霊として読み手に飛んでくる。男には「女の機微を悟れるようになさい」と。女には「男の不器用さを抱きしめなさい」と。読者は自身と重ねながら過去に想いを馳せ、自身の今と昔を交互に想像するだろう。赤面するような、蓋をしているような、後悔しかないような様々な過去と共に。そして、作中のある一文が恋愛の摂理とも言える事実を突き付けてくる。誰かに何かを伝えたい、常にそう思っている作者だからこそ書ける作品だと思うのです。大きな敬意と少しの嫉妬を胸に、今このレビューを書いています。