勇者に婚約者を寝取られて全てを失った男、二十年後に新たな勇者に指名される。 完結日:2018年3月18日 作者:いらないひと 評価:★★★★☆ 3.9主人公がみんなを見捨てる話。 話数:全9話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 異世界転生 異世界転移 注意:R15 残酷な描写あり なろうで小説を読む
時が経ってからも読み返したくなる良作。一つの体制・国、この作品の場合は人間そのものだが、それが完全に滅亡するまでの経緯を見事に、しかもリアルに表現している。この作品には駄女神とクズ勇者以外は、完全に有罪と言い切れる存在はいません。その代わり、誰一人として真の勇気を持った者も存在しません。一国の長でありながら胡散臭い神託とやらに盲従して、何の罪科もない寧ろ功労者から全てを奪った上で追放し、その事に対して形式的な謝罪一片で済まそうとする国王。洗脳されてたとはいえ、良いトシこいてなお主人公の怒りと絶望に対する想像力が無く、和解と再婚を妄想する元ヒロイン達の愚かしさ。政治情勢や暗殺に対する懸念を言い訳にして、結局誰一人として非常事態に立ち向かう勇気を発揮する者はいません。まるで終戦直前の大和の沖縄特攻の様に手遅れになってから中年女達が今更のように出撃するだけです。そこが又リアルで良い。