評価:★★★★☆ 4.1
小さな洞窟の棺の中で目覚めた骸骨。
頭の中に響く命令に従って、洞窟を迷宮にしようと働き始める。しかしその矢先、あっさり転んでバラバラになってしまう。
頭一つの状態から、スタートする羽目に。一体の骸骨が仲間を増やし、黙々とダンジョンを作っていくだけのお話です。
まさに骨だけにコツコツと。これは最弱の骸骨たちが、やがて一つの都市を作り上げるまでになる物語。
の第一部終了。※第一部では、基礎部分である周辺整備だけに終わっています。
話数:全178話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
設定が多岐にわたるので覚えるのが大変。せっかちで結論を先に把握したがる人には向いていないのかも。でも都市計画なんてそんなもので、結果より過程を楽しむもの。とするならば、箱庭的な本作品は、非常に先が楽しみであります。最初の独白で物語が進行するあたりはなかなか独特であるけれど、退屈させずに読み続けるのは大変かもしれない。なにせ、最初は設定も解説的だからだ。そこを乗り越えればいけますわい。
第1部に当たる「作りかけ」が完結し、しかしそれでも謎が多い物語です。スポットを当てられている「骨」たちが何者か。主人であろうと思われる「黒棺」の正体はなんなのか。それらのことが少しわかったり、代わりに謎が深まったりと非常に読者をやきもきさせられる展開が続きます。同作者の人生ロードと舞台背景が似通ったところがあります。おそらく流用しているであろう、物語の根幹に関わる宗教関係がやや説明不足感があり、そのため少々話の背景に分かりづらいところもあるのですが、その分深く練られているように感じる部分もあるため考察好きな方には特にオススメできる作品となっております。第1部ではダンジョン作りはほんの触りしかなく、ほとんど内政ではありますが、その中でも骨というアイデンティティがよいアクセントとして活きています。内政好きの方にもオススメいたします。
タイトル通り主要なキャラは骸骨です。特に序盤は主人公以外しゃべれる人物が出てきません。物語の展開としては最初は独り言がメインのスロースタートになります(動けないため)そこをいかに読み進められるかがこの作品の評価の分かれ道の一つになると思います。そのため、もし最初の遅めの展開が自分に合わない場合は本格的に物語が動く18話くらいまで読み飛ばしてもいいかもしれません。そこから物語が本格的に動いていくのでこの作品の面白さが伝わってくると思います。この作品を評価するならまずはそこまで読んでからがいいと思います。