国家魔導術士　いたりん　

仕事をしている人は、多かれ少なかれその仕事にプライドを持っているのではないだろうか。物書きならばその内容や文章力。軍人ならば国を守るという目的や自分の強さ。もしこの国に魔法使いがいたら、きっと同じように魔法にプライドを持ち、仕事をするだろう。この作品はそんな、お仕事で魔法を使う人々の物語だ。しかも舞台はこの国、日本だ。この作品はそんな日本を描写し、そして魔法による犯罪に立ち向かう国家魔導術師の仕事ぶりに触れている。その中身は不平不満を言いながらも犯罪を無くしていこう、職業差別を受けながらも頑張ろうとする一人の女性の姿。その姿は可憐で、そして素敵だ。そして読んでいくうちに巨大な悪に触れていく。その姿もかっこいいのだか、それ以上に仕事をする姿のかっこよさが光る作品だと言える。仕事をする誇りが見えなくなったときに、あるいは仕事を始めようとするときに、是非オススメしたい作新だ。

魔導士や魔法使いが活躍するといえば、異世界のファンタジーと相場が決まっている？いえいえ、そんなことはありません。この、いたりんこと板梨杏が登場する舞台は、現代の日本です。国家魔導士という資格を取って、友人の桜庭まなみとともに事務所をひらいたいたりん。警察と協力したり敵対したりしつつ、事件を解決していきます。注目すべきは、いたりんとまなみのコンビ。厳しいまなみの仕打ちに、「拗ねてやる」と言ういたりん。そんな二人ですが、お互いを尊敬し、信頼しています。途中から少年兵が下働に入り、そのあたりからまなみさんとのロマンスらしきものも見え隠れして、サブストーリーも楽しめます。やがてストーリーが進むにつれて、話の世界も大きくなっていきます。深刻な事件を、いたりんたちはどうやって解決していくのか。ぜひぜひ、あなたの目で確かめてください！