バレンタインまであと少し 〜共感によってコンプレックスを乗り越える。女の子のための物語！〜

「可愛くなりたい」たったそれだけの望みが素直に言えないことがあります。誰だってブサイクよりも、カワイイ方が良いに決まっている。それなのにそう思うことに罪悪感を感じてしまうのはなぜなのでしょう。本作の主人公は、性格がキツイと評判のかなえちゃん。好きな人の話題になると、自分には関係ないとばかりにそっぽを向いてしまいます。けれど実は彼女には胸に刺さったトゲがあって……。キャラじゃないから。どうせ似合わないから。そう自分に言い聞かせてしまうのはきっと自然な防衛反応。精一杯背伸びをしてみて、それを自意識過剰だと誰かに笑われた時の悔しさは誰しも経験があるのではないでしょうか。けれど、もしもあなたの側にあなたの心の痛みに寄り添ってくれる人がいるならば。あなたはきっと変われるはず。学生時代を懐かしいと感じる大人にも、今まさに思春期真っ最中の方にもぜひ読んでほしい作品です。

アオハルには少しだけの勇気がエッセンス大柄で少し色黒で、でも男子にそれをからかわれた経験もあって……嫌なことは、残るのです。どんなに勝気な子であっても、言われたひどい言葉は心に残る。でも、きっとその「可愛くない」と思う心は、「可愛くなりたい」と思う気持ちの裏返しだ。そんなあなたに必要なのは、背中を押して向き合ってくれる友達！ 友達です！友達から元気をもらったら、勇気を出して好きな人のところに行こう。その子が少しにニブくても、最後には神様がきっと見方をしてくれるはず……甘すぎず、苦すぎず、なチョコレート、味ってみてはいかがですか。

中学生女子の気持ちがいっぱい詰まったお話。けれども、この作品は男性にも是非読んでほしい。性別を超えた男女共通の青春小説です。恋よりも友情強め。オシャレなマニキュアなんて縁のない少女――高橋かなえの本音はあたしは可愛くなりたいそんな素直な気持ちが吐き出せるまで……悩める少女はバレンタイン直前の二月を粉雪のように彷徨います。

大柄で色黒、きつめの顔立ちと言葉遣いそして運動が得意……そんな女の子、あなたならどんな印象を持ちますか？気が強そう？生意気そう？このお話の主人公、高橋かなえはそんな女の子いつも男の子みたいな服とスニーカー。スカートなんて制服くらいでも本当の彼女は、かわいいものが好きな傷つきやすいただの女の子言葉がきついのは、弱い心を守るため男の子みたいな服を着るのは、傷ついた心を隠すため見た目のキャラのせいで心無い言葉を投げつけられ、傷つき、自信を失ってしまったかなえさらに「あたしなんて――」という悪い呪文をとなえては、自分で自分を傷つけるそんな彼女を救い上げるのは、バレンタインをきっかけに集まった３人の魔法使い＋王子様かつて女の子だった私たちには眩しくて懐かしくて、そしてちょっとだけ痛い……そんなほろ苦いチョコレートのような物語、この時期に味わってみませんか？

きらきらした女の子には、そうなる過程があったわけで。大人になるにはいくつかのハードルがあり、難易度は人によって様々だと思うのです。かなえちゃんにとって、「チャイルドからガール」になるハードルは、難所のようです。心で願っていることに素直になれない現実の自分。「あたしなんて」と、周囲の素敵な女の子と常に比べてしまう劣等感……。好きな男の子を「好き」と認めることすら、相当の苦労があった、かなえちゃん。だけど、それができたならば、きっと、難所のハードルも自然に超えられると思うのです。「バレンタイン」間近の、女の子たちのきらきらした感じも、存分に味わえますよ。本編の「黒いネコの友達」をまだお読みでない読み手さんにもお勧めです。きっと、「ああ、わかる！」と、共感する部分が、たくさんあると思います。

自分の見た目にコンプレックスを持っている少女かなえ。そのきっかけは……？「こういうことあったあった」と思える描写が散りばめられており、女の子だった人はきっと懐かしく感じるのではないでしょうか？こういうことを感じて乗り越えていく人もいれば、「どうせ私なんて……」と殻に閉じこもって諦めてしまう人もいるでしょう。かなえの場合はどうなのでしょうか？恋と友情。そして自分との戦いの物語。彼女が抱える心の棘がどうして刺さり、その後どうなったのか……。是非読んで確認してみて下さい。そして、棘を刺した人は反省しましょうｗ