評価:★★★★☆ 4.4
雨の日の喫茶店で、私は別れを告げた。
なぜと聞かれた彼の言葉に、
上手く……応えられなかった。私には秘密がある。
誰にも、言えない秘密が。納得の出来ない彼からの問いに逃れられるのか。現代版切ないスペース竹取物語、開幕です。
*本作は銘尾 友朗さま企画
「春センチメンタル企画」参加作品です。全四話+二話 完結済
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禁止私自转载、加工
禁止私自轉載、加工著者:なななん
話数:全6話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
昼に行きつけの喫茶店で、初めて彼女を見かけた時から、僕の心は捕らえられていたんだろう。それが、久方ぶりの恋の予感。窓の外では桜が舞い散っていた。 彼から初めてかけられた言葉の意味が、彼の外観に現れた特徴が、その時のわたしには理解できなかった。それが、ここ『蒼い星』での始まりの予兆。 そんなふたりが、自然に近づき、自然に時を重ねていく、少し不思議な恋愛物語だと思っていた。 そして、一年後。二度目のさくらは咲き誇っていて……。別れを切り出すには綺麗すぎてせつなくなる。 離れたくはないのに仕方なく……。嫌いでもないのに想いも言えず……。 ただ、色彩だけが移ろいでいく……。 さて、このふたりの恋路、最後に待ち受けるは……?
地球人の調査のため、宇宙から訪れた異星人の美女。彼女は地球人の中で暮らすうちに、ある1人の男性と巡り逢う。 やがて彼に告白され、「お付き合い」を始める2人。異星人である女性にとっての彼は、地球人を知るための「サンプル」でしかない……はずだった。 知らないことだらけの世界の中で、自分の手を引く彼への想い。使命に反した、その感情に翻弄され行く彼女は――桜の季節に待つ「別れ」の日に、大きな転機を迎えるのだった。 なななん先生が描く、SF恋愛ドラマ。かぐや姫の物語を現代的……なおかつSFよりに描き出した、儚くも暖かな恋物語です。ぜひ、ご一読ください!
かぐや姫のお話をベースに現代のお話として見事に昇華されています。地球の生態を調査する為にやってきた宇宙人の彼女は、次第にそこで出会った一人の男性に心惹かれていきます。任務と恋愛、その狭間で葛藤しながらやがて調査期間が終わりを向かえ宇宙に帰らなければならなくなった時、彼女の出した答えとは。最後はきっとほっこりするはず。いい意味で期待を裏切るラストがあなたを待ってますよ。気になった方は、ぜひ読んでみてください!
あなたは竹取物語をご存知だろうか?光る竹から生まれた女の子が美しく成長して、数多の求婚者を退けて、月に帰ってしまうお話だよね。で?で、ってね、あなたは気づいてないの? かぐや姫って、実は宇宙人なのよ。はい、小話は置いておいて、もうお気づきでしょう。そうなのです。このお話は宇宙人と地球人の恋のお話です。・・・恋のお話だよね?宇宙人ってさ、地球人と精神構造がかなり違うみたいなんだよね。こんなんでさ、まともに恋愛ってできると思う?摩訶不思議な恋愛模様をあなたも覗いてみませんか。
”蒼い星” 『地球人の生態系及び思考を観察すること』 それが目的だった 太陽系第三惑星”蒼い星”への潜入調査より深く地球人とのコミュニケーションを取るために何をするのかそれにより『無音の心』を『りん』と震わせる りん りんりん りーんりーん りーんりーんりーん30代後半の男性と、神秘的な20代の美しい女性――男性は地球人把握の為のサンプル対象だった―― 【恋とは何か、優しさとは何か】ラストの優しさにあなたの心も『りん』と震えるはず
とある喫茶店で見かける彼女。文庫本に視線を落とし、珈琲を注文する彼女。純粋無垢な瞳。時折、桜の木を見つめる彼女。そんな彼女に惹かれた。好きになった。美しい彼女。可愛らしい彼女。そんな彼女のことが知りたくて、もっと言えば、付き合いたくて、ボクは彼女に声をかけたんだ。「あの……スカートのファスナー、空いてますよ?」◇◇◇ この作品はおそらくラブストーリー。桜の花びらが舞い散る季節に出会い、そこから縁を深めていく恋愛物語だ。でも、何かが違う。テイストかな?それはぜひ皆さまの【目】で確かめてほしい。私はこの作品に一目惚れをしてしまいました。この季節にはピッタリな作品。あなたもこんな恋、してみたいですか?
彼女は別れを切り出した。それが裏腹であるとわかっていながら。彼女は雨をつっきった。知らなかった涙を雨と混ぜながら。 知らないことばかりの浮世離れした女性カグヤ。彼女はこの蒼い星に一年間、任務のために滞在している。ぼんやりとすごす彼女の前に一人、人生を変える男性が現れる。彼と触れ合ううちに、自分の中に不明な音が鳴り始める。涼やかにリンリンと鳴るその音は、彼女の心に呼応して音色を変える。喜ばしく鳴るその音が、「恋」と言う音だとわからないままに、カグヤはその思いを深めていく。 温かく甘く、なななんテイスト満載の今作は、いつもと少し違います。不穏に始まる物語。けれど彼女の結末を見た時に、ほんのりと笑顔になれます。紡がれていく静かな恋、その空気の優しさをぞんぶんにお楽しみください。
誰にだって秘密はある。人には言えない秘密、あなたはいくつ持っていますか。何もかも人に話してみたいけれど、仲が良いほど話せなくなることは多いもの。例えば、なろうで執筆活動をしているということも、多くの方にとってきっと秘密のひとつでしょう。こちらの作品の主人公はとある女性。彼女はたくさんの秘密を抱えていました。彼女は、海が塩辛いことを知りません。コーヒーが苦いことも、繁忙期は目が回りそうに大変なことも、恋をすると嬉しかったり寂しかったりすることも何も知りません。彼女がわかっていることはただ一つ、3月が終わったら大好きな恋人とお別れしないといけないということ、ただそれだけ。なぜなら彼女は……。知らなかったことを一つずつ知るたびに、涼やかな音が響き渡ります。けれどそのたびに、抱えた秘密がちくんと痛むのです。それでも恋の終わりはハッピーエンド。自分も甘酸っぱい恋がしたくなる物語です。
“宇宙人”である彼女は任務に忠実です。自己というものを封じ込めて生活していますが、それが彼女にとっては普通のことなのです。欲望うずまく地球の誘惑の文化なぞどこ吹く風。ネオン輝く街や猛スピードで走る車両や歌って踊る歌手など彼女にとってはどうでもいい調査対象でしかありません。興奮も感動もありません。これも彼女にとって調査の対象でしかないはずの“恋愛”。どこにでもいる男。カッコイイとはいいがたい男。しかし、ひたむきな彼に彼女の心は“りん”と響きだします。調査終了後、彼女が彼に振り絞って言った言葉とは…?是非、画面拡大の上あなたの目で確かめてください。
とても描写が素敵で、爽やかさが溢れています。しかし、冒頭で彼女からの別れ話から始まるのです。読み進める度に、ドキドキやワクワク、そしてハラハラしたり物語に惹き込まれている自分に気がつきます。彼女の心を彼がどう変えていくのか? それとも変えられないのか?次話が、とても楽しみな作品です。完結まで一緒に追いかけてみませんか?現代版、かぐや姫。ぜひ、読んで確かめてみてください。