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 今日も私、恋する乙女桜田梅は鼻歌を歌い、ルンルン気分で学校に向かっていた。
理由は簡単。一年の頃から好意を寄せる鳴海くんに会えるからだ。
 
 スポーツ万能、成績優秀と非の打ちどころのないイケメン。そんな彼に良からぬ噂が流れた。それは高校生になった今も妖精や精霊などのファンタジー世界の住人が現実に存在すると本気で信じている。いわゆる電波だと。

 信じていない私は、確かめるために本人直接聞くと、彼は黙って頷いた。理由を尋ねると「いないと思うよりいるって思うがいいと思う」と純粋な瞳で答えた。その汚れを知らない彼に益々惚れてしまった。結局思いを伝えることが出来ずに二年生になった。
二年生になっても彼と同じクラスになった。去年のリベンジを決意し、学校生活を送っていたある日、『使い魔を簡単に呼べる本』という怪しい本を見つけた。そこには見たこともない文字でびっしり書かれていた。

 なぜか私には書いている文字が読めた。それを冗談半分で唱えると、本から禍々しい煙と供に金髪の少女が現れた。彼女は自分のことを使い魔リリスと名乗り、私と契約したと言ってきた。

 でも、私が女だと分かると、契約を無かったことにして欲しいと言ってきた。
生意気な態度に腹を立てるが、あることを思いつき、彼女の腕を無理やり掴んで学校に向かって走り出した。それは鳴海くんにリリスを見せてファンタジー的な存在が本などに書いているようなものじゃないことを教え、妖精などを追いかけるのを止めさせること。
学校に到着すると、鳴海くんが裏庭で日課の妖精探しをしていた。

 微笑ましい彼の姿を見ながら、茂みから出ようとした時、リリスから思わぬ発言が飛び出した。彼に一目ぼれしたと。計画は破綻してしまい、今に鳴海くんに告白しようとするリリスを連れて、今朝の河川敷へと向った。

 河川敷につくと、リリスに鳴海くんから手を引くように命令した。

 でも、彼女は拒否した。譲らない私たちは取っ組み合いのケンカを始めた。どちらも一歩も引かずに半日が過ぎていた。結果、鳴海くんを狙うライバル関係ということで落ちついた。
こうして、使い魔との共存と電波少年を巡った主従関係を超えた恋の戦が始まった。


話数:全8話
ジャンル:

登場人物
主人公属性
職業・種族
  • 未登録

時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録

その他要素
注意:全年齢対象