評価:★★★★☆ 4.1
※※書籍化に合わせてタイトルを変更しています。(旧題:異世界釣行記 ~ 最新ルアーを持ったおれ、「釣ったヤツが偉い」世界に転移する)※※
ボウズで終わった磯釣りの帰り、おれ、牛尾隼斗は異世界に転移した。
転移先の漁村では、折しも年に一度の釣り大会を開催中。
釣り帰りだった隼斗は当然タックルを持っている。
人々が持つ前時代的な延べ竿や質の悪いリールに対し、こちらは最新鋭のシーバスロッドにルアー。
だが勝負なんてどうでもいい。
目の前に広がっている豊饒の海……見たところ魚種は同じだけど、魚影の濃さは現代とは比べものにならない!夢中でキャストしたらばんばん釣れる。
中には紫色に輝く「魔ダイ」「魔イワシ」「魔グロ」なんかもいる――魔力を持っているからふだんはまったく釣れない魚だって? そいつら、おれのルアーにバカ食いしてくるんですが……。しかもこの世界はどうやら「釣れるヤツ」が「すごいヤツ」という価値観。
あちこちで日常的に釣り大会が行われているとか。
魚がいるのに釣り人が自重するわけがない! 釣るぜ、いやっふぅぅうう〜!
話数:全113話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
おっと勘違いしないで頂きたい、これは褒め言葉である。 いやはや私は釣りに関して一切の知識を有していないのでありますが、一夜の内にすべて読み終わってしまいました。えぇ、自分でも驚きです。 異世界にて純粋に釣りで無双する、それに伴い『漁業が全く発展しておらず、魚が超貴重であるため釣りが正義』という独特の世界観が構築され、釣った魚の如く新鮮で、かつ斬新だと感じ、それこそ新鮮な気持ちで読むことが出来ました。 更にはそんな設定も然る事乍ら、文章の節々で見られる釣りへの愛が、私の心をくすぐり、いつしか本当に釣りに行きたくなりそうな気分にさせられます。 まさか異世界小説をこんなふうに楽しめるとは思っていなかったので、是非とも他の方とも共有したい次第です。
釣り好きの人が読めばクスッと笑いつつロッドを磨いて週末釣りに行きたくなるでしょう釣り好きじゃない人が読めば、クスッと笑って今夜のオカズに魚を食べたくなるでしょうそんな、釣りがテーマのほのぼのストーリーが魅力の本作品派手な戦闘シーンも、俺tueeeもありませんが俺turuuuはマシマシで楽しく作品に釣り上げられますよ。
釣りのこと、知らなくても楽しめます。魚の名前がわからなくても、大丈夫。囲碁のことがわからなくても「ヒカルの碁」が面白いのと一緒で、釣りの経験がなくてもちゃんと楽しめる物語になっています。その分野の経験が無く、物語を書くために勉強して執筆すると、得た知識と専門用語を駆使して「説明」してしまうことが多いのですが、この作品は違います。作者さんご本人の経験を元に、どれだけ釣りが楽しいかを、物語として「表現」されています。作者さんの、釣りへの愛が伝わって来るのです。もし主人公が近くにいたなら、彼と一緒に釣りに行ってみたくなる、そんな素敵な物語です。