評価:★★★★☆ 4.4
ローマ軍の若き司令官レノス・クレリウス・マルキスは、おのれが女であることを秘して、辺境の島に着任した。
属州化を推し進めるローマに対して、蜂起する島の氏族。血で血を洗う戦いの果てに、レノスはひとりのケルトの少年を捕えて奴隷とする。
オオカミのような髪を振り乱して、少年は叫んだ――オマエヲ イツカ コロシテヤル。
それがふたりの断ち切れぬ絆の始まりだとも知らずに。(自サイトの連載とは一部構成を変えています)
話数:全62話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
ローマの辺境司令官(女)と兄を殺され奴隷にされた蛮族の少年。初めは復讐しようと思っていた少年ですが、男として生きながら、なんとか生まれ育った故郷の部族とローマの融和を試みる彼女に、やがて複雑な想いを持ち始め――。男装と歴史モノに惹かれてやってきましたが、まさかやらなきゃいけないことをサボってまで読みふけるとは思わなかった。まず、中だるみがありません。そして地の文での難しい解説なしで、時代を巧みに説明しつつ、その世界に誘ってくれます。なので歴史知らなくてもカタカナ苦手でもバカでも大丈夫。受験の時に苦しんだローマ人の名前を覚えながら読まなくても、登場人物の個性や状況を描くのがうますぎてスラスラ読めます。リアルな熱い戦いとせつない恋愛が好きな方におすすめ。見事な融和です。司令官かっこいいYO! いっぱい泣いたYO! あと最後の方で――あーいかんネタばれしちゃうからもうやめる
地理条件や気候など細かなデュティールが整えられており、それが生き生きとしたキャラクターのドラマを引き立てている。 キャラクター一人一人の感情や人間性などが丁寧に描かれており、時代の中で翻弄される二人のロマンスは、つい先を急かしたくなる。 また、歴史描写や建物の描写などもしっかりしており、寒冷なブリタニアの機構から、雑踏としたローマの下町まで、背景となる景色の描写力が高いのも、歴史モノを読みたい方にはオススメ。 戦闘描写の迫力もさる事ながら、権謀術数うずまく宮廷闘争や男装の麗人である主人公をとりまく人間関係が魅力。 ライトノベルではなく「小説」を読みたい方にはおすすめの一作である。
歴史物のラブロマンスです.両片思い,じれじれ,愛憎どろどろ,立場の差,年齢差(男性の方が年下),主従,男装の麗人などに萌える人は絶対に読んだ方がいいです.ヒーローが最初は子どもなのですが,(とは言っても,特別なものを秘めた子ども) だんだんと大人に,かっこよくなっていきます.基本的にシリアスな話なのですが,(むしろ重くて,容赦ない) 恋の自覚なく嫉妬したり必死に相手を守ったりする主人公二人に,にやにやが止まりません.(笑)歴史好きにもロマンス好きにも楽しめる小説です.
西洋史、とくにローマ(あのコンモドゥス帝!)が好きな人とか佐藤賢一好きな人に超絶オススメ。もちろん歴史がたいして好きじゃない人にもね。主人公が男装の麗人なんだけどもそのことも無理なく描けているし、ローマ帝国の気質というか荒々しさと文明の混ざったところとかもすごいよく描けてると思う。ローマをたんに讃えるだけではなくてローマに征服された先住民族側の視点もしっかり入れてあるのがミソ。そもそも主人公のお相手が部族の少年だしね。物語はようやく動き始めたところで、これからどうなるのかわからないけど恋愛モノとしてもすごい期待できそう。佐藤賢一とか司馬遼太郎とかよりは感情描写が丁寧だし、恋愛にフォーカスしてる印象を受けるね。この恋愛要素がローマに詳しくない人も射程におさめている理由の一つだと思う。他の内容の薄いなろう作品に飽き飽きしてる人は是非読んで欲しい