私は死んだ。それは間違いない。首を落とされた瞬間の感覚が、今も思い出されるのだから、私は確実に斬首された。
それなのに私は今こうして生きている。それも幼い姿になって、ちゃんと生きている。けれど、幼い私に何が出来るのだろうか?
この腐りきった国に何が出来るというのだろうか?
不満の高まった民衆による革命で、斬首される運命をどうやったら避けることが出来るのだろうか?
私は必死に考えた。腐った国の腐った王族の、そんな両親を持つ娘として何が出来るのかを、足りない脳みそで必死に考えた。
でもわからなかった。
だから私は、逃げることにしたの。幸い私には王族なだけあって魔法の才能と魔法力は人一倍あるから、生きていくことはできるだろう。
でも、私はまだ6歳だから、普通の生活は送れない。隠れて過ごすことになることになるだろう。
だって、この国の王族の特徴である白銀の髪と銀色の眼が、私が王族だということを示しているから、隠れなければいけない。
どこにかくれる?
そう、ダンジョンに隠れるしかない。この国は多くのダンジョンが存在するけれど、この王都に一番近いダンジョンに隠れよう。
空間魔法の魔法は知っている。攻撃魔法も知っている。回復魔法も知っている。生活魔法も少しは勉強した。剣術も多少は知っている、国外の冒険者が城に来たときに少しだけ教えてくれた。
子供用の防具はないけど、魔法のローブや装備品は国の宝物庫にあるから持っていけばいい。だって、私は子供だしこの腐った王族の王女だから、出入りは自由だ。
使えそうなものは持って行こう。食料はどうしたらいい?食糧庫から持ち出せばいい。調理は出来なけど、図書室から本を持ち出せばきっと何とかなる。
魔法力に比例する空間魔法の容量は、今の私でもきっと家一軒分ぐらいなら収納できる。
大丈夫私は生きていける。今度こそ斬首刑なんて最期を回避できる。
だからまず……。私は盗人の称号を手に入れる。※誤字脱字のご指摘お待ちしております。
※小説家になろう・アルファポリスで投稿しています。
- 未登録
- 未登録