評価:★★★★☆ 3.5

――『守るって決めた。助けるって――約束したんだ!』
 剣聖の技を継ぐ少年は、追われる少女の手を取り逃げる。
 未踏の遺跡の深奥、数多の運命の交わる揺籃(ゆりかご)へ至る道を――。

 ――かつての戦争での活躍により、英雄としての名声をもつ剣術の師匠とともに、サイメルという城塞都市を訪れた少年、アルファート。
 彼は師匠と別行動を取っていたところ、ピュティアという幼い少女を、彼女を追う兵士たちから助けることになる。しかし相手は多勢、追い詰められた二人は、用水路に繋がる街中の小さな遺跡に逃げ込むが、その先に、存在だけは噂されていながら、しかしいまだかつて誰も見つけられなかった、都市の地下に広がる、大遺跡への道を見出す。
 この遺跡を抜ければ、都市を脱出できるかも知れない――。
 己の中の正義感と、そして――胸のうちにくすぶる罪悪感に突き動かされ、少女の手を取り、遺跡に挑むアルファート。
 しかし、時を同じくしてその遺跡に足を踏み入れるのは、彼らを追うミルドアーク教国兵と、それを指揮する貴族、ユタンだけではなかった。
 ミルドアーク教国とサイメルを巡って長年争い続けてきた、アザンティ王国の兵士たちと、その先頭に立つ騎士、オルフェ――そして彼が連れる、謎めいた少女。
 北の大帝国の密命を負わされた、アルファートの師、剣聖カロン。
 世界の成り立ちを識るかのような、学者を名乗る青年ワイズと、その助手の少女ケイナ。
 一様に、導かれるように遺跡の深奥を目指す彼ら。
 そこに眠るという、『悪行(マレフィキア)』とは何なのか。
 ピュティアはなぜ追われるのか――。
 逃亡劇の中、様々な事実を知っていくアルファートは、三つの国それぞれの思惑に、かつてサイメルを支配していた亡国、テメニアの妄執までが絡み合う――この深い地下遺跡での過酷な戦いを、ピュティアを守って生き抜くことができるのだろうか。


話数:全34話
ジャンル:

登場人物
主人公属性
職業・種族
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時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録