評価:★★★★☆ 4.4
高校生活最後の夏休み。女子高生の仄香は、思い出作りのため、父が所有する別荘に親しい友人たちを招いた。
沖縄のさらに南、太平洋上に浮かぶ乙軒島。スマートフォンすら使えない絶海の孤島で楽しく過ごす仄香たちだったが、三日目の朝、友人の一人が死体となって発見され、その遺体には悍ましい凌辱の痕跡が残されていた。突然の悲劇に驚く仄香たち。しかし、それは後に続く惨劇の序章にすぎなかった。原案:あっきコタロウ氏
本作はカクヨム、アルファポリスでも公開しています。
話数:全26話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
この作品の犯人は忍者しかあり得ない! ミステリを読んでそう言いたくなったことはありませんか。常人離れした身体能力なしには成立しないアクロバティックなトリックに、湯水のようにお金のかかるアリバイ工作。平凡な人間には実行不可能と言いたくなる推理物はたくさんあります。しかしこの作品にはそんな部分はありません。作者は読者に対してフェアでありながら、あっと驚く結末を用意しています。あなたが読み進めるうちにひっかかりを覚えた部分は、作者が用意してくれたヒントです。なぜあえてこんな表記がされているのか。流すことなく気にかけて読み進めれば、ミステリが苦手な方でも犯人の気配は感じ取れるはず。そしてドロドロとした心理描写もこの作品の見所のひとつ。物語を読み終わった後に、あなたは言葉を失い、誰かにこの結末を語らずにはいられなくなるでしょう。孤島の別荘で次々に女子高生を襲う犯人、正体はだあれ?
孤島ミステリとして有名な作品「そして誰もいなくなった」。それを模したタイトルであることから察せられる通り、こちらの作品も王道を行く孤島ミステリです。とあるお金持ちの令嬢の家に招かれた数名の高校生と、それを出迎える使用人。そして殺されていく登場人物たち。ひとり、またひとり。最初は和気あいあいとしていた学生たちのなかに広がるドロドロとした本音の渦と、逃げ場のない、狭い島でおこなわれる狂気の殺人。ぜひ犯人を推理しながら読んでいただきたいです。トリックが明かされた時、「そうきたか!」とひっくり返り、そして、そのあとタイトルを見返すと、ただのオマージュではなかった真の意味に気付かされ、もう一度唸ること間違いなし!