評価:★★★★☆ 4.1
死霊魔術師のガイは弟弟子のハリーを殺めるべく、彼の塔を訪れる。
殺害に成功したものの、もうすぐ塔に魔術師の罪を裁く魔術師……『裁定魔術師』フレデリック・C・レポフスキーがやって来ることを知る。
慌てて立ち去ろうとした時、来客を告げる鐘が鳴る。
やってきたのはまだ少女といっていい年頃の娘だった。
「お初にお目にかかります。わたくし、レポフスキー家の侍女を務めます、リネット・リーと申します」※マグネットにも掲載しています。
話数:全5話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
兄弟子であるガイは弟弟子の才能を嫉妬し、短剣を隠し持ち彼の工房である塔へと足を運ぶ。十重二十重と魔術的な防御網を備えた工房も、中に入ってしまえば脆いもの、殺害はあっさりと成功した。だが、そんな彼には誤算があった、それはノックの音と共にやってきた。魔術と言う何でも有りの世界でのミステリ。矛盾アリアリのシチュエーションですが、作者の力量により、説得力を持った世界に落ち着いています。きめ細かい状況描写は想像力をかき立て、生々しい心理描写は、緊迫感を沸き立てます。短いながらも、しっかりとまとめられた作品です。ネタが思いつけば続けて行きたいと、おっしゃっているので、期待高まる作品になっております。
一気に読みましたが、これ程薄黄色の紙にインクで刷られた媒体で読みたいWEB小説は初めてです。短いながらも繊細な設定、パスティーシュを書きたい程に素晴らしい世界観でした。勢いがありながら、細部がそれを殺していません。魔術裁定師のコンビでこの様な短編をもっと読みたいと思います。ドイル短編集を読んでいる時の気分に似ていました。叙情的な表現も然る事ながら、やはり魅力的なのはキャラクター、それを書き切る文筆力に脱帽です。すっかりファンになってしまいました。是非この設定でまた短編が読みたいです。許されるなら、厚い表紙の紙媒体で。