評価:★★★★☆ 4.4
月食の前日に話しかけてくる不思議な光の少女。微睡の中、月の明るさに目が覚める。
この物語は中学二年生の女子、天手月渚(あまてるな)が、脳に障害を抱えた影入一磨(かげいりかずま)とスポーツ大好き佐野央樹(さのおうき)、転校生の月読花月(つくよみかづき)と共に織りなす半年間の青春ファンタジードラマです。
月美山中学校は創立25周年。25年前に流行した【月食の軌跡】と言う本を手に入れ、25年ぶりの皆既月食であるスーパーブルーブラッドムーンを見た夜、突然彼女に何かが起こる。そして学校では一磨が健常な生徒になる異変も……
年に2回あった皆既月食の間に起こる不思議な不思議な物語。彼女が体験した奇跡を皆さまもご堪能くださいませ。
話数:全111話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
発達障害という分野について、実在するような人物描写とありがちな周りのお友だちの描写と、とても分かりやすく、本質的にどう向き合うべきかを小説という形をとって、説明してくれています。家族は、そして学校、と発達障害児を抱えている家庭なら誰でも直面する問題に、こうだったらいいな、という夢や理想を織り混ぜていて、つい、自分の立場と置き換えて考えながら読み進めた作品です。発達障害が社会問題となる時代に、家族にはいない、という方にも、発達障害を理解してもらえる作品です。もし、子どもが特性を持たなかったら、そんな世界があるなら、満月の夜だけでも、行かせてほしい、と思わせられる小説でした。夢の世界をありがとうございました。
発達障害の幼なじみ一磨と、彼を腐れ縁で毎日迎えに行く月渚。学校では月渚は一磨担当のヘルパーのように思われている。月渚は、一磨の苦手を理解しているのだが、同じクラスの男子、央樹は強引に一磨をサッカーへ駆り出す。しかし、一磨は発達障害の癇癪でケガをしてしまう。月渚は央樹を一磨の母親の元へ連れて行って詫びさせた。母親は、月渚と央樹が考える理由で一磨が癇癪を起こしたのではないと言う。そこから、草花が好きな一磨の心へ触れた日から奇跡が起きる……。繊細な執跡でつづる皆既月食の奇跡と、それを廻る青年少女たちの数奇のお話です。
さっそく読ませていただきました。とても読み易いお話であり、随所に細かい表現や説明があるため、読んでいて感心したり、感動したりしました。こういう最後まで意味を含んだ作品は素晴らしいと思います。今の社会に何か訴えかけているようです。みなさんにもお薦めしますので、是非ご覧ください。普通に青春ファンタジーとしても楽しく読めると思いますので、一見の価値ありです。